2006年01月
« 前の月    |    次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ageha4
読者になる
Yapme!一覧
読者になる
ルークとアッシュ / 2006年01月08日(日)
 黒い刃が大気を裂き、そのままのするどさでルークの眼前にまで迫ってきた。咄嗟に横に跳ねて、ルークもまた剣を抜く。構える。見据える。
 同じ顔をした青年の、同じ色の双眸の険しい光を、まっすぐに受け止める。
 
 続きを読む…  
Posted at 11:41 / TOA / この記事のURL
コメント(0)
アッシュとガイ / 2006年01月04日(水)
 バチカル王城を西日が荘厳なまでの朱色で染め上げている。
 城門の両脇に控える衛兵の鎧もルビーの粉をまぶしたよう誇らしげに輝いており、ルークはそれを横目にしながら磨き上げられた階段をゆっくりと降りていった。広場の噴水が夕陽を乱反射するのに、碧の双眸が煩げに細くなる。ふっくりとあどけない唇をきつく結んだその表情は歳不相応に険しい。
 
 続きを読む…  
Posted at 20:57 / TOA / この記事のURL
コメント(0)
ジェイド / 2005年12月29日(木)
 少年の嘆息はケテルベルグの冷気に白々しく凝固し、雪原に落ちた。
 毛皮の防寒具に包まれた長身がゆっくりと折りたたまれる。ミトンを外した指先は、そこだけ凶悪に赤く染まった雪面を興味深げに撫でた。指先に宿った薄紅の氷粒をしげしげと見やり、ジェイド・バルフォアはもう一度溜息をつく。ちょうどこの赤雪のような双眸が無感動に向けられた先には、灼き抉った傷口からまだ血と湯気を吐き出している魔物がびくびくと痙攣している。
 
 続きを読む…  
Posted at 22:21 / TOA / この記事のURL
コメント(0)
スギレオはきっと旅行に出てるんだよ… / 2005年12月06日(火)
「知らないよそんなの、スギが行きたいなら行きゃいいじゃない」
 普通そんなふうに言われたほうは、機嫌を損ねるなり気を遣うなりしてなんらかのアクションをレオに示す、はずだ。そうじゃないと困る。
 ぷいとそっぽを向いてチョコレートを齧ってばかりだったレオを、スギはしばらくじっと見てたらしいけれど、そのあとの返答といったらそっけないことこの上なかった。レオをして、呆気に取らせるほどに。
「……ふうん、」
 淡々といつもの調子でスギは、
「ならいいや。僕もう行くから」
 じゃあね、そのうち帰るからね。
 お気に入りのサングラスをかけてトランクをごろごろ転がして、さっさと出て行ってしまった。
 ばたんとドアがしまってがちゃりとご丁寧に鍵までかけられて、まだ呆然としたままレオは立ち上がる。ぽかんと開けた口からチョコのかけらがこぼれ落ちた。
「……うっそ」
 レオの予定だとこの後さんざんにごねてスギを呆れさせて、それからようやくに承諾して、一緒に出かけるはずだったのだ。突然の言い出しで驚いたのは確かだけど、本気で嫌がったわけじゃない。
 そんなことスギだってわかっているはずなのに、……この僕を置いていくなんて!
 大慌てでベランダに走って行った。そこから体を乗り出せば、マンションの玄関が真下にのぞめる。
 窓を開けるとぴゅうぴゅうと冷たい風がレオの頬を引っ掻いていく。そんなのも無視して、部屋履きのスリッパのままベランダに出て、そうしたらレオのパンツのポケットから面白味もない着信音が鳴り出して、邪魔くさげに取り出してディスプレイも確認しないまま携帯の通話ボタンを押した。
「はいはいレオくんだよ、どちらさま」
『スギくんだけど、機嫌は直ったかい』
 レオの真下でスギがひらひら手を振っている。顔はよく見えないけれど、声は明らかすぎるくらいに笑っていた。
『早く降りてきなよ。本当に置いてくよ』
「……行かないって言ったじゃん」
『あっそ、早くね、車あっためとくから』
「スギのばか」
『レオのいじっぱり』
 通話を切ってから携帯に舌を出す。スギの仕返しは心臓に良くないからいやだ。
 レオのと違ってスギのはどれが本気だかわからないから、反応に困る。
 とりあえずきちんと窓の鍵をかけてから、レオはお気に入りのスニーカーを探しに玄関へ走って行った。
 
   
Posted at 23:16 / びみょう / この記事のURL
コメント(0)
4さま / 2005年11月22日(火)
 ソロはひとりでそこに立っていた。
 焼き討ちされて崩れ落ちた民家も今は苔むし、やわらかな陽射しに輝く様はいっそ幸福そうにさえ見える。瘴気を吐いていた毒溜まりも今は消え、清浄な大地は若草や木々を、色あざやかに咲き誇る花たちを、かつてと変わりなくソロの眼前に広げてみせた。
 
 続きを読む…  
Posted at 23:14 / びみょう / この記事のURL
コメント(0)
ワンダ / 2005年11月13日(日)
 吐き出すように息を継ぐ。しとどに流れる汗の冷たさで顔は冷えるが、丸めた背中はうららかな陽射しで温かい。
 とうとうよろめいて柔らかな地面に膝を埋め、ワンダは体じゅうで荒い呼吸を繰り返す。右手には剣を握りしめたまま、もはや指先の感覚も失せていた。輝く新緑に包まれながら、ワンダの視界は白黒に明滅する。
 遥か遠く、あるいはすぐ近くだろうか。どこかで鐘の音が聞こえる。ひどい頭痛に呻こうとしても、喉からこみ上げてくるものは血の味がする唾液だけだ。
「……は、……はは」
 麻痺したように動かない、ひらいたままの唇を伝って桃色の唾液が草間に消える。ワンダは重い頭を叩きつける強さでそのまま地に額をつけた。空いている左手が掴んだ若草は柔らかく温かで、失った少女の笑貌を連想させる。
 ワンダにとってはあの微笑みと穏やかな声だけが世界のすべてで、だから世界を敵に回してでも守らなければならなかった。今しも消されようとしている微かな命の灯火に再び明るさが取り戻せるのならば、その手段を囁くものが神であろうと悪魔であろうと構うものか。
 少女が奪われてしまえばワンダの世界は死んでしまうのだ。
「……モノ」
 縋るように、祈るように、噛みしめるように名を呼べば、凍てついた指先にもぬくもりが宿る。自分のものとも思えぬ枯れた声は、喉を痛めているからだろう。
 剣を抱きこんで体を丸める。早く体力を回復させなければ。遅々とすればそのぶん少女との再会は先へ延びる。早く立ち上がれるようになって、早く剣を振れるようになって、早く早く早く早くはやくはやく。
「モノ」
 呼びかけに応えるように風が吹く。
 陽射しのぬくもりを孕んだそれは、ワンダの黒ずんだ髪を梳いて流れていった。
 
   
Posted at 23:32 / びみょう / この記事のURL
コメント(0)
銀と望美 / 2005年11月02日(水)
 毒とも知らずに甘露を飲み続けていた。
 なぜならそれがひどく甘やかで、喉越しよく、いくら杯を重ねようとも飽きるということがなかったからだ。心地よい酔夢にまどろみながら、体内に累積されていく汚濁には気づかず、更にと童のように次をねだり、そしてついに体中に毒が回る。そうまでになってようやく銀は己の奇異を自覚した。自覚したとて、すでに手の施しようもなかったのだが。銀こそ新たな毒器と化した今となっては何もかもに遅すぎる。幾重にも封じられていた器は、すでに白く優しげな手によって無遠慮に暴かれていた。
 
 続きを読む…  
Posted at 10:39 / ネオロマ / この記事のURL
コメント(0)
銀→←望美 / 2005年10月28日(金)
 はれんち…でもないけど一応ワンクッション
 
 続きを読む…  
Posted at 00:40 / ネオロマ / この記事のURL
コメント(0)
ひさしぶりゲイサフ / 2005年10月19日(水)
 ふふ、とサーフは少女のように笑った。
「ああ、いいなその顔。欲情する」
 そして、その少女のように笑う自分の容姿がかなり水際だっていることをわきまえている男を前にゲイルが言うべき言葉といえばひとつしかないのである。眉間の皺に指で触れ、腹の底から溜息混じりに言い返した。
「……理解不能だ」
 
 続きを読む…  
Posted at 22:47 / アバチュー / この記事のURL
コメント(0)
カイムとアンヘル / 2005年10月17日(月)
 赤竜の待つ高台へ登る男の足は重い。薄雪の積もりかけた地面に音をたてて垂れる血は無垢を装う白に冷やされ悲鳴の代わりに温かげな湯気を生じさせていた。
 男が進んできた道のりは黒ずんだ赤に、己の体液によって彩られている。
 血と脂にまみれた剣を杖代わりに男の進んできた道のりは、人間にとっては決して短いものではない。だが彼の半身たる竜の翼をもってすれば瞬きひとつする間に飛び越えることのできる距離でもある。
 
 続きを読む…  
Posted at 21:58 / DOD / この記事のURL
コメント(0)
  | 前へ  
 
Global Media Online INC.