2択選択 

July 09 [Mon], 2007, 7:40
次の日。
そして次の日。

ぴぃと飯田先輩が会う日が来た。

あたしはそわそわしながら
先に飯田先輩の家にいた。

まだ3回目なのに
すでに見慣れてしまった、この部屋に座って。


その時。
チャイムも押さずにガチャっと
扉が開いた。

飯田先輩はすっと立って
玄関へ歩いていく。

ドキドキと心臓は波打つ。




ぴぃと飯田先輩が部屋に入ってきた。

ぴぃは机の側に座り
あちの隣に、先輩が座った。


安心と不安が入り混じってる空気。
先輩は何も言わない。

開いたくちは、ぴぃだった。
「いっチャン(飯田先輩)。あちチャンと付き合ったんやんね。」

あたしは飯田先輩を『いっチャン』と呼ぶぴぃに
意味ない嫉妬を覚えながら
先輩を見た。

先輩はなんにも言わない。
不安の渦は、どんどん大きくなる。

たまらなくなって
あたしが「うん。」と答えた。


その瞬間、ぴぃがワッと泣き出した。

そして「帰る。」と言って
ぴぃは玄関へ去っていった。

ガチャっと扉の閉まる音が聞こえた。


先輩が大きなため息をついた。
あたしも隣でため息をついた。


先輩があたしに寄ってきてまた
「ごめんね。」と言った。


すこしして、先輩のPHSが鳴った。
電話をとった先輩の話し声は小さくて
あたしは、ぴぃだと分かった。

横でおとなしくはなしを聞いてると
耳を疑う言葉が聞こえた。

「うん。ぴぃが好き。」

あたしは、青くなって先輩を見た。
先輩は、あたしと目を合わせずPHSを握っている。

おろおろしてるあたしに
先輩が電話を渡した。

無言で受け取り、耳に当てる。
声はやっぱりぴぃだった。

「あちチャン。さっき帰ってごめん。
 いっチャンに、うちとあちチャンどっちかちゃんと選んで。って言ってん。
 ほんじゃあ、うちが好きってゆうねん。
 あちチャンからも、いっチャンに聞いて。」

信じられない言葉を並べられて
真っ白なまま、あたしは先輩を見た。

「あち。ごめん。
 俺やっぱ、ぴぃが好きやわ。」

なんで?
どして?


あたしの中で、ぐるぐるが
とまんないまま揺れる。


先輩の声が聞こえたのか
電話越しのぴぃが、また話した。

「ごめんね。うち、やっぱいっチャン好きやから。」


ここでなんて言えばいいん?
やっぱり元カノに戻るって事?
…わけわからん。

あたしは、なんにも言わないまま
いっチャンに電話を返した。


その瞬間、涙が流れて
そのまま止まんなくなって
あたしは泣き出した。

ぴぃ。 

July 09 [Mon], 2007, 6:40
ピリリ〜♪ピリリ〜♪

と、先輩のPHSが鳴った。
ディスプレイを見た先輩の顔が曇った。

すっと立ち上がった先輩は
PHSを持って、リビングへ出てった。

女になって2日目の
女の感が騒ぐ。

さっきまで触れていた肌がなくなって
ク-ラ-の風が体を刺した。

(相手は絶対、女だ。)
でも、誰かわかんない。
あたしは、先輩の女関係なんか知らないし
先輩の友だちだって知らない。

これが付き合うのの、不安?
考えれば。
あたしは相手を知らな過ぎだ。
先輩の誕生日すら知らない。
血液型も知らない。


色々な不安が波になって押してくるのを
ぐるぐるなりながら殺した。


でも、先輩はあちを好きって言ってくれた。
KISSもHも、捧げた。
たぶん、いつのまにか、あたしは彼を好きだと
素直に思えてた。

しばらくして、PHSを握った先輩が帰ってきた。
曇った顔は、晴れないままあたしを見つめた。

言葉もでなくて
ぴくりと動くこともできなくて
どうしたら、どうなるのかわからなくて
一緒に曇りたくなった。

「これ、ぴぃやねんけど電話変わったってくれへん?」
女の感は当たった。

でも、予想外の展開にあわてた。
友だちじゃなくても、あたしはぴぃと同級生だ。

夏休みが終われば
クラスが違えど顔を合わすことになる。

なんの電話かわかんないまま、あたしは受け取った。

「もしもし。」
「あ、あちチャン。ぴぃやけど、いっチャン(飯田先輩)と付き合ったの?」
「うん。昨日付き合った。」

相手の出方がわからなくて
淡々とした口調で話しながら
心臓の鼓動はどんどん早くなっていった。

「あのね。うちといっチャン、喧嘩して別れたんだけど
 うち、やっぱりいっチャンが好きやねん。」
「でも、いっチャンは、あちチャンと付き合ったって聞いて…。
 やから、いっチャンがあちチャンと付き合うなら、うちは引くよ。
 でも、それをいっチャンにちゃんと聞きたいねん。駄目かな?」

彼女は、未練があって電話したんだ。
でも遅しで、飯田先輩はあちと付き合ってた。
自分でちゃんと、喧嘩別れじゃなくて
別れを言われてけじめをつけたいんだ。


勝手な解釈をしたあたしは
「いいと思うよ。」
と、答えた。

ぴぃは、ありがとうと言ったあと
また飯田先輩と少し話し、先輩が電話を切った。

切ってすぐ
先輩はPHSをほり投げて謝ってきた。
「あち、ごめんな。」

謝る意味がわかんなくて
あたしは首を横にふった。

そのあと先輩はやさしくKISSしたあと
「あさって、ぴぃ来るから、あちも来る?」
と聞いてきた。

先輩と元カノを2人で合わす気持ちにはなれず
行く事に決めた。

夢見心地 

July 09 [Mon], 2007, 6:13
次の日。

夏休みの宿題を持って
あたしは、彼の家にいた。

勉強教えてもらうなんて
口実な行為で
引き寄せられたあたしは

昨日と変わらない
この部屋で

昨日と変わらない
行為になった。

痛みのびりびりは、なくならない。

くれる先輩のKISSが、
鎮痛剤みたいに
やわらくしてくれる気がした。

先輩といる時は、
昨日考えたどうしようはどこかへ消えて
幸せ-とか簡単に思っていた。

先輩は甘えたで
部屋におるときに肌が触れてない時がないぐらい
ひっついてくれた。

熱い夏間なのに
それがとても心地よくて
安心した。

「あち-、好きやでっ☆」
その悩殺マスクで
見つめながら伝えてくれる先輩に
あたしもいっぱい甘えた。


いちゃいちゃしてるだけの1日だったけど
初めてのいちゃいちゃに
これが恋愛だ!と勝手に理解した。


これから付き合っていくのって
よくわかんないけど
どっか遊びに行ったりとかも、するんやろな-。
まだ夏休みは残ってる。
楽しみやなぁ☆♪

わくわくする、あたしを見て
先輩も一緒にわくわくしてくれた。

あたしは、幸せな夢見心地の国で浮かんでいた。


彼のPHSが鳴るまでは。




下半身の感覚 

July 09 [Mon], 2007, 5:08
セミの声もか弱くなる夕暮れを
ゆっくりと考えながら、家へ歩いた。


痛いのは下半身なのか
簡単に付き合って、KISSしてHした事なのか
こんな単純に
始まって終わってしまうのか
先輩といた時の幸せな気持ちは
一気になくなって
どうしよう…に変わった。

14歳のあちが
想像してた恋は、こんなものじゃなくて
こんな簡単に捧げるもんじゃなくて…

でも、付き合ってしまった。

あたしは一気に先が不安になった。
付き合うってど-したらいいかわかんなかった。

またHもしなきゃいけないんだ。
と思うと、また痛くなった。

そもそも、付き合った日にHするもんなのか?
と、冷静に考えたりもした。

それでも、経験0のあたしには、なんの答えも生まれなくて
結果も、なんにも変わらなくて
『飯田先輩』というひとから、『彼氏』になったって事だけは
リアルだった。

『彼氏』ができたとだけ考えたら
それは幸せなことで
あえて、そこだけ汲み取って
幸せだと決めた。





そういえば、今日は登校日だったんだ。

あの1本の電話から始まった今日。
長い1日だった。

朝、家を出たあちと
帰ってきたあちは変わってる。
変わりすぎなぐらい。


玄関をあけると、お母さんが「門限ギリギリ!」と怒鳴った。
ギリギリなら、え-やんか。とか考えながら
疲れが一気に流れた。

まだ夏休みは1週間残ってる。
彼氏ができた。
KISSした。Hした。


あたしはとりあえず
眠りについた。

下半身の感覚はびりびりしたまま。


満ちて 

July 09 [Mon], 2007, 3:50
初めてのKISSの味なんて
まったく覚えてない。

こんな感じなのかって関心と
なんか幸せな気持ちを持った。

あたしと飯田先輩の唇は
何度も、何度も重なった。

恥ずかしくて、閉じた目を開ける勇気がなかった。

飯田先輩が好きなんか
どうかよくわかんなくて

でも、好きって言われた事に満ちて
自分も好きだと思わせるように
目を閉じたまんま、唇だけに神経を使った。


単純に
よく知りもしない飯田先輩に
好きだと言われ
KISSされて
かっこいい顔だけを見て
好きになっていった。


その時。
ゆっくりとひかれた布団に倒された。

そのまま唇を離した先輩が耳元で言った。
「あち、めっちゃ好きやわ。Hしよ。」
「えっ。」

あたしの時間は、同じ言葉で
また止まった。

ほんの何時間前まで
今まで彼氏いない暦14年。の中学2年生だった。
それがさっき
初めて彼氏ができて
初めてKISSをした。
そして…

そんな一気に波は襲ってくるものなのか?
少なくともティーン雑誌の読者ぺ-ジに、そんな事は書いてなかった。


「だって飯田先輩。
 あち、いま初ちゅ-して、えっちとか…したことなくて…」
恥ずかしいのをたくさんこらえて告白した。

2歳年上の飯田先輩に
初めてだって話すのは
子供だと思われそうで嫌だったけど。

「え?じゃあ処女なん?」
聞き返す飯田先輩に、あたしは首をたてにふった。

「まぢで!ってか、初ちゅ-って!
 あち上手いから、初めてちゃうと思った。
 ってか、俺と初めてとか、めっちゃ嬉しいし!」

KISSに上手いとかあるんか?
って思ったけど、先輩に嬉しいと言われて
また舞い上がった。

「あちも嬉しい。」
素直に答えて、倒された体勢のまま先輩に抱きついた。


そして、そのまま流れた。




なにがきもちいものかよくわからなかった。
KISSのほうが、よっぽど満たされた。
心配してくれながら動く先輩は、やさしかったけど
痛みのほうが勝った。
果てるまで、必死に耐えた。


終わったあと
先輩はまたたくさんKISSをくれた。

今日から
あたしは、彼の『彼女』なんだって、
Hまでした事に別に後悔もなく
また幸せな気持ちに戻った。


夕方、門限の7時前に
あたしは飯田先輩の家を出た。

KISS 

July 09 [Mon], 2007, 3:03
登校日を終えたあたしは、先輩に電話をかけた。

「もしもし、あちです☆終わった-☆」
「あ、まぢで!じゃ-近くまで迎えに行くわ!」

そういって、先輩は自転車で
学校近くまで迎えに来てくれた。


うだる熱い夏のひるま。
セミの鳴き声がひびく、この町で

人生で初めて、男の子に
迎えに来てもらったあたしは
くるくる踊りたくなるぐらい
ドキドキしてて

初めての男の子と2人乗りにも
感動を覚えて
その時の、かっこいいんか可愛いんかわからんぐらい
素敵な顔だけに
惚れていた。



彼氏いない暦14年。
14歳、あち。
人生初、男の子の家へとお邪魔します。


飯田先輩は、母子家庭だった。

ぴ-とは、別れてよかった-とか
そんなはなしをした。

あたしは、ぴ-と友だち!な関係ではなかったし
別になんの感情も生まれなかった。


先輩は、大好きなラルクの歌を流しながら
あたしを見た。
「あちって可愛いよね。
 俺はじめて会ったときから、思っててん!」

その整った顔で、まっすぐに見つめる
先輩のほうが、何倍も何十倍もかっこよくて
あたしは、恥ずかしくて目をそらした。

「なんで俺の事みてくれへんの?
 あち、もしかして俺嫌いなん?」
「違う違う!
 だって、先輩の顔近いねんもん…」
「え-、近いとあかんの?キスしそうになるから?」
「えっ。」

最後の言葉に反応して
あたしは、目を合わせた。

先輩とあたしの目があって
そっから、離されない何かみたいに
時間が止まった。


時間を進めたのは、先輩からだった。
「俺、あちの事好きなっても-てん。やから、付き合って?」


脳がいっきに回転した。
カレは、あのかっこいい飯田先輩だ。
カレは、ぴ-の彼氏だけど、もう別れた。
カレは、あちが好きらしい。

あたしには本気の好きとか
まだ全然、よくわかってなくて
付き合うってなんなのかも
よくわかってなくて

ただ、素直に初めて好きだと言ってもらえた事が
嬉しかった。

「あかん?」
先輩が、悲しそうに近い距離であたしを見た。
「えっと、あち、も、す…きです…」
恥ずかしくて、なんて言ったらいいかわかんない気持ちを
ゆっくり言葉に乗せた。


「まぢで。めっちゃ嬉しい。」
そう言った先輩、ぎゅってあたしを抱きしめた。

きゅって心があったかくなって
冷えたク-ラ-のきいたこの部屋で
花みたいなやさしいあったかさを感じた。

ぎゅってなったあと
先輩は、あたしを見つめて
唇が近づいてきて
近づく距離に合わせて
あたしは目を閉じた。

夏の8月23日。 

July 09 [Mon], 2007, 2:32
あち。14歳。

あたしはどこにでもいる。
普通の中学2年生だった。

みんなと好きな人の話をして
きゃ-きゃ-言って
勉強に、ちっぽけなお洒落に
必死になっていた。

まだ彼氏いない暦14年。

しいて言えば、性にかなりの興味をもっていた。
同世代の子たちとは
まだ話せない、大人な会話と思っていた。

その日は
夏休み中に、1日だけある
登校日の日だった。

忘れもしない。
8月23日。




熱いなか、登校したあたしのPHSが鳴った。
「もしもし、今日登校日やろ?」

電話の相手は、2歳年上の飯田先輩だった。
同じ中学の先輩で、ラルクが好きなV系で
顔が整ってて、かっこいい先輩。

あんまり仲良くない、ぴ-ってあだ名の友だちの彼氏だった。
ぴ-は、あたしからしたら
でかくてデブで、天パなイメ-ジの子。

なんで、飯田先輩と付き合ってるのか
わかんないけど、半年ぐらいは付き合ってるらしい。

「そ-ですよ-。
 なんで、飯田先輩しってるの?今行ってるとこ☆」
「そ-なんや。
 いや、ぴ-がゆってたからさ。あち、そのあとなんか予定あるん?」
「え?なんもないよ?なんで?」
「俺、今日ひまやから家遊びにおいでや☆」


え。
いえ、ですか?


「実は俺、ぴ-と別れてん。
 やから、ぜんぜん来ていいし☆おいでや!」


あのかっこいい飯田先輩に誘われてる!
しかも、別れてフリ-!
あたしの気持ちは、舞い上がった。


「じゃ-、終わったら連絡します☆」


そ-やって、あたしは電話を切った。

恋愛依存症女。 目次 

July 07 [Sat], 2007, 4:58

-恋愛依存症女。-

●はじめに

●目次
1a 覚えたもの
01 夏の8月23日。
02 KISS
03 満ちて
04 下半身の感覚
05 夢見心地
06 ぴぃ。
07 2択選択
08 その胸を貸す
09 1a 覚えたもの。記憶

-♂デ-タ-
飯田先輩 2歳年上 V系



2a 進行間違い
01 原点
02 


3a ギタ-の足音

はじめに 

July 07 [Sat], 2007, 3:40
blog 恋愛依存症女。

見てくださってる皆さん、ありがとうございます。
このブログは、あたし「あち」のほぼ実話スト-リ-小説です。

あちは恋愛と、お金におぼれ
抜け出せない生活を今も送っています。

正直、痛いとこ多すぎなあちだけど
これを読んで、なんか感じてくれたり
なんか考えてくれたりしてくれたら
いいな-って思います。

これを書こうと思ったきっかけは
この依存っぷりを、誰にも話せないしんどさから
吐き出せる場所として作りました。

話はながなが、続きますが
読んでってくれると嬉しいです。


あち。

PROF
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:aci
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1986年4月2日
  • アイコン画像 血液型:B型
  • アイコン画像 職業:フリーター
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恋愛依存症。
援交、風俗、AV。
自殺未遂。
リスカ、OD、シンナ-中毒。
スト-カ-女。

学べない。
重い、想い。


あたしは幸せになれますか?

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