あんにょん 

December 28 [Fri], 2007, 23:15


あんにょん
わからないことがありすぎて
こうして手紙をかいていてもこの先
どうつなげてよいのかさえ決めていません
ひらがながうまく、つなげません。
正直、いまさら書くこと自体がバカらしいとさえ
思っていたりするのです。でも
とりあえず、あんにょん
あれから私はどうにか元気に過ごしています。
この国に着いたばかりの頃は言葉もわからなくて
何も聞こえなくて話せなくて読めもしないで
やたら国籍にこだわったり
こだわられたりしていて
今よりももっと難しい毎日をすごしていたことは事実です
ですが今は
とりあえず、あんにょん
あの頃は書けもせず言えもせずいた言葉
お元気ですか、と日本の女優さんが叫ぶように
あんにょん
私はごみごみとした乱雑なこの町で
叫んだりすることもできます。
過去にも今にも未来にも
あんにょん
お元気ですか
二つの言葉の狭間で
こんなに寂しい気持ちになる私たちの罪名は何でしょうか
でも、とりあえず
あんにょん
そう言えるようになったことに感謝しています。

私は元気です。









忘れないレモン 

February 23 [Fri], 2007, 16:07

僕らは鈍感だから
1400km/hで回りながら眠ることができる
1400km/hで疾走しながらレモンをナイフで
上手に真っ二つにナイフで切ることもできる
そして1400km/hの回転の中レモンと向き合い静止さえする
蛍光灯に映えてレモンは
真っ二つに切られたレモンは無言だ
1400km/hにただ耐えて無言だ



喫茶店でレモネイドにレモンを入れないでくださいと注文をした
店員はかしこまりましたと笑顔を見せて
厨房へ入って行ったきり30分出てこなかった
その間わたしはレモンのない世界を思った
エビフライにレモンがない
トイレの芳香剤にレモンの香りがない
レモンのない智恵子の
白いベッド



30分後店員は厨房からでてきて言った
お客様申し訳ございません
レモン抜きのレモネイドは当店では取り扱っておりません
それはテレビ番組の捏造と類似している
店員だって必死だったはずだ
1400km/hの中レモンとエイドと必死だったはずだ
これまでの全ての過程は無駄ではないはずだ たぶん



レモンよ紀元前より
お前は相変わらず幼稚な黄色だ
1400km/hにただ耐え続け
いつまでも変わらない幼稚な黄色だ
けれど僕らはお前にはない力を備えている
鈍感ではあるけれどお前たちを育てもぎり搾り加工し
1400km/hに抵抗しながら生きていくことができる
1400km/hで過ぎ去っていくものを
振り返ることもできる








※1400km/hは日本での地球の自転速度

更新 

February 23 [Fri], 2007, 1:22
しないってどうかな、と思って・・・。
ちょっとこっちも一生懸命何かしてみようかなと思うわけです。
とりあえず、一生懸命時々思い出して覗いてくれる方々に
ありがとうございます。。
もうちょっとなんとかします・・・・(笑)

暖冬 

February 09 [Fri], 2007, 22:42


商店街のくだもの屋の軒先で
みかんを選んでいた
おいしそうなだいだい色で大きめのみかんね
おいしそうなだいだい色で大きめのみかんね
昔母のおつかいでよく聞かされていた文句を
そっくりそのまま胸の中に繰り返し唱えながら



ゴルフ場経営者よ、と
小学校からの友達のT子が新しい彼を紹介してくれた
どうも、と軽く頭を下げられて
つられてわたしもよろしくお願いしますと頭を下げた
立春の、暖かい午後のカフェだった
T子とわたしは双子のように何をするにも一緒だったけれど
最近は歳のせいかたまに顔をあわせる程度で
お互い放し飼いのようにしていたので
前回会ったのはたしかもう、半年も前のことだった
新しい彼の話と、学生時代の話と、わたしの飼っている
ミドリガメの話をひとしきりした後
忘れられていた目の前にあるコーヒーをすすった
既に冷めていた



はいありがとう、295円のおつり!
ぶっくりとしたくだもの屋のおやじさんの爪は、もともと
浅黒いものだと思っていた頃もあった
かさかさと硬くなった指の関節あたりの皮膚は
みかんを入れてもらった白いビニール袋から光沢を取って
埃を被せたような質感だと思った
また来ますね、と微笑んではっとした
何か自分が悪いことを言ったような気がして仕方がなかった



ひんやりとした居間で
こたつを‘入’にしてテレビをつけて
夕方のニュースを見ながらみかんを剥いて食べた、三つ

‘今年は暖冬で━━━’
‘このとおり雪がまったくありません’

スキー場の経営が年々難しくなっているという内容だった
爪の間にはみかんの皮が押し入っていて、無理に取ろうとしたら
もっと奥に入って、取れなくなってしまった

‘一方、好調なのはゴルフ場です’
‘いやぁ、暖冬のおかげですよ’

ニュースは暖冬からエルニーニョに話が変わり
地球温暖化になり、オゾン層にった
それから少子化問題に移り変わって
最後は男尊女卑になっていた
こたつの中でわたしは
テレビとみかんの外側でわたしは
暖冬という響きは
いかにも暖かそうだと思った





ごはんの炊ける匂い 

January 17 [Wed], 2007, 2:11


逮捕されるのは、
夕飯に食べたカレーを次の日の朝にまた
温めて食べるからなのよ、と
テーブルの向かい側にいる同僚のあつこが興奮気味に言う
そして実は自分もそうだったんだからと
間髪を入れず顔を乗り出して押さえ気味の声で付け加えた





メリーゴーランドの白馬の歯軋りと鼻息で
あの日、という日は始まってしまった
白馬は歯茎をむき出しにして涎を垂れ流しながら
前を行く馬を追い越すんだといきり立っている
わたしはわたしで、そんな白馬にしがみつきながら
高速回転するこの狂った白馬のメリーゴーランドから
どうしたら逃れられるかということばかり考えていた





そういえば
じゃろってなんじゃろ
というキャッチコピーが流行っていた頃のわたしはまだ幼くて
お風呂の湯船の中で人差し指を立ててクルクルと回転させながら
渦巻きを作ったりしていた
そしてそこにいろんな物を放り込んだ
色の変わる金魚とか、引っこ抜いた髪の毛とか
タオルの糸くずとか
一瞬にして渦巻きの中に吸い込まれたそれらは
またすぐにわたしの左手で回収されて、そして何度も何度も
クルクル投げ込まれた
わたしがのぼせて飽きるまで





朝起きるのは苦手だ
まして、朝ごはんを作るなんて
だから夜のうちに炊飯器に準備する
だから朝6時50分に
わたしの部屋ではごはんの炊ける匂いがする
朝霧を吸い込むように、気の遠くなるほど白いごはん
わたしはこれで残りのカレーも平気で食べてしまう






風化の過程 

January 13 [Sat], 2007, 2:44


どこかで
熟れた林檎がまたひとつ落ちた


聞き耳を立ててその方向に
私たちが歩きはじめてから久しい
時折、ナウマン像の足跡に釣られながら







いつもの足取りですたすた
火を止めに行く
気配を殺しきれずに助けを求めているから
台所で、薬缶が

忙しい、私たちは

忙しい

湯気は
注ぎ口から逃げ出しては
宙に寄り添い果てている






土の匂いがする
ふと、そんなことに気づいてしまった

あの時落ちた林檎に付いた
土の匂いがする

私たちの
土の匂いがする

風化する匂いがする










置き換え遊び 

January 10 [Wed], 2007, 2:41
悲しいを楽しいに置き換えて話してみる
ねぇ、聞いて
とても楽しいことがあったの
楽しくて楽しくてしょうがなくて、
おなかを抱えて、
もうどうしていいかわからないほど
楽しくて楽しくて、
たのしくて仕方がないの


残されるもの 

May 12 [Fri], 2006, 14:38


部屋中に潜んでいた音を集めて
やかんのお湯は沸くんだよ
ドレミファソラシドー、ドー、
水蒸気がやかんの口から
伝えてくれるよ

ペリーヌが嬉しそうに雨に打たれて踊っている
泣かないでペリーヌ、と
一緒に歌っていた私は大泣き虫になった
それが原因かもしれない

酒屋さんが落としていったビール瓶の蓋
迎え火を焚いた枯れ枝
微笑むだけの記憶の人達
私は人質

大切なことは、例えば
チョコレートはポケットの中で溶けてしまうということ
それがわかっただけでもよかった、って
本当は思っている
指先にくっついたチョコレートの密度で
ここまで来られたとは思わないけど

急須の中では
お茶の葉でさえのびていくのに
窮屈そうにしながら
この星の自転に寄り添っていくのに

削られていく夜
ねえ、痛いよ、やめてよ
やめてよ
これじゃあ、残ることもできないかもしれない

蓋をして、私に蓋をしてよ
真空の容器に詰め込んでよ

どうもどうも 

April 02 [Sun], 2006, 3:47
すごいほったらかしようで、どうも申し訳ないです。
まぁ、元気だった証拠と思って許してください。

で、またここに書き出した・・・ということは・・・(笑

まぁ、仕方ないですね。性格だと思ってあきらめます。

ところで、最近はMIXIというところで毎日せっせと日記なんか書いていたりします。
MIXIってなによ、っていう方はお知らせください。ご招待いたします。
ちなみにそちらでは詩関係ばかりですが・・・。

詩は殆ど書いていなくて、もう、どうしようというところを通り越して開き直っております。
もうちょっと有名な方の詩を読んで勉強しないとだめだなと思う今日この頃なのです。
やめはしないです。ぜったい、死ぬまで書き続けます。

さて、最近体調が思わしくありません。
仕事も休み休みです。
でももうちょっと自分を甘やかして、らくさせてあげようと思っています。
悪くないよね?????


宇宙 砂時計 

January 22 [Sun], 2006, 23:39


波打ち際で裸足の皮膚が青白く引き込まれていく

巨大な砂時計の中でわたしたちは

使い回しの時に混じって

順番待ちをしている

砂遊びに飽きてからはため息で少しばかり

砂を払うだけで

触れることをしていなかった

腕まくり、バケツと、シャベルと泥んこになって

今日は遊ぼう

だいじょうぶ

だいじょうぶ

だいじょうぶ 明日になっても

わたしたちは砂時計に守られている





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