お知らせ 

December 08 [Mon], 2008, 15:12
お知らせ

ブログ仮移転します。

ですがやはりこちらにのこした莫大な量の記事を残したい気もあるので、こちらも残しておきます。
更新は主に移転先で行います。

期間については「来年の4月まで」としておきますが、消されてしまうかもしれませんので、早めのブックマークをお願い致します。

http://suzaku001.blog87.fc2.com/


携帯の方はリンク集を探してみてください。

それではまたこれからも「罪と罰」をよろしくお願いします。


苦しみ 

December 05 [Fri], 2008, 18:50
いじめられた経験、裏切られた経験、殺されかけた経験、自傷、自殺未遂…
これらの苦しみを今まで経験してきた。
時たまその幻想に苦しめられる。
だが必ずしも全てが残っているわけではない。
それらは頭の中に消えない傷として刻み込まれ、意識の外から痛め付ける。
ボロボロの僕の体を痛め付ける。
だがこんな辛さなんとかなる。
過去はもう過ぎたことだし、今はもう独りじゃない。心にはあの奇跡の着信音が鳴り続けているから。


だがそれ以上に僕を苦しませるのは、「人を信じれない」ことだ。
もはや僕の命は「あの人」に繋ぎ止められた。
もはやあの人の助けなしには生を長らえることの出来ない身となってしまった。

そんな「あの人」を、信じれない。
かつての「あの人」はいなくなってしまったのか?
もう助けてなんかもらえないのか?
否、これは自分の中で組み上げられた妄想に過ぎない。
実際あの人が何を思ってるかはわからない。
すべては自分から勝手に溝を掘ってるに過ぎない。
しかしそれを疑うことでわからなくなる。そもそもからしてあの人は最初から僕を必要としてくれていたのか?
距離が離れた云々言う前に、そもそもあの人は僕の心に入ってきてくれたのか?
「仮面」をはいでくれたのか?
あの人の心に今僕はいるのか?


わからない。何もわからない。
一体僕はどうすればいい?

眠れぬ夜を、来もしないメールを待ち続け過ごすしかないのか?
このまま勘違いして過ごし続けるしかないのか?

あの時、鎖を引きちぎらずに、一人寂しく死んでいた方がよかったのか?



もうあの人の笑顔を見ることは出来ないのか?

僕の心を掠めたあの涼しい笑顔。
涼しさの中に何か光ったものがあったあの笑顔。
あの笑顔を確かに見たと、僕に向けられていたものだと、自信を持って言えなくなってきた。

わからない。
この溝はなんなんだ。
この距離感はなんなんだ。
これが自分で作ったものであるなら、埋めていけばいい。
また仮面をはいで、あの人の心に飛び込んでいけばいい。
だがもしこの溝が「あの人」に掘られたのだとしたら…

僕は宛先のない遺書を残し、去っていくだろう。静かに消えていくだろう。
今度は着信音は鳴りそうにない。


この溝が幻影だとしたら…
この距離感はただの物理的距離感だとしたら…

僕はあの人の存在に埋もれて消えることができる。
永遠に消えることができる。

 

December 01 [Mon], 2008, 16:23
自分は本当に精一杯生きてきたのか?
もう本当に限界なのか?
いくら問うても答えは出ない。
答えがないからこそだった。

だが首にくい込む縄に抗い、生きようとした自分がいたのは否定できない。
やはり今回は死を絶対視していたひとつの人格に抗い、道しるべにすがろうとした人格の方が少し上回ったのだろうか。

そのまま眠らせてくれるはずだったネクタイがほどけて体が地に降りたとき、目に飛び込んできたのはあの人への遺書だった。

リスカをよくないことだと咎めてくれた人。
僕を心から必要としてくれる人。
今同じ空の下で机に向かうあの人。
決してほどけるようには結んでいなかった。
もしかしたら助かるのではと思ってはいなかった。

意識が朦朧とする中聞こえたあの着信音。
僕らの吹奏楽部としての最後の曲。

あの人が好きだったあの曲。

はっと気付いたら、目の前に遺書があったわけだ。


あの人は最大の罪を犯そうとしていた僕を咎めるどころか、冗談っぽく「遺書なんて焼いてしまえ」と言ってくれた。

あの時の「奇跡のメール」がなかったら、どうなっていただろうか。
果たして自分にとってどっちが幸せだったのか。


それを決める権利は、もはや自分にはない気がする。

僕の記憶から消滅した空白の時間。
自分がその間何を思い、何をやっていたか、そしてどうやって罪の鎖を断ち切ったかということは、まるで最初からなかったかのように封印された。

自分の中に確かにしまいこまれた確かな黒い箱。
それを進んで開こうという気はないし、取り除きたいとも思わない。


捨てられない遺書。
燃やせない遺書。
机の奥にしまわれたその白い紙をみるたびに、僕はあの人を思い出す。



僕の命はもはや自分のものではない。
自ら生を放棄した以上、今さらそれを取り戻そうというのは決して許されることじゃない。


あの人の存在を確かに感じながら、自分の心臓はなおも鼓動を刻む。


そして明言できない何か暖かいものが、身体中に広がっていくのであった。

 

November 08 [Sat], 2008, 22:16
今日「元」第一志望の教育学部の問題を解いてみました。
そしたら泣きそうになりました。
全然合格点とれそうな気がしないんです。
もちろん難しいのは当たり前ですが、それ以上に距離が遠いんです。
「自分が本当に行きたい学部じゃない」っていう雑念があるからでしょうか。
僕は大学内での併願は多く、第一志望の法学部を合わせて五つを考えているのですが、やはりどの学部も真剣に行きたいです。やはり僕はあの学校じゃないとだめなんだっていう信念はあるのでしょう。
ですが、あれだけ行きたいと本気で思って、何十回も第一志望として誇らしげにかきつづけた教育学部という存在が、僕の中で小さくなったことは否定できません。

僕の中で光り続ける、「あの人」の存在。
あの輝かしい姿がこの大変革を引き起こしたのは間違いありません。
異性としての「あの人」。ライバルとしての「あの人」。
そして憧れの存在としての「あの人」。

自分のこの変革が、それにより引き起こされたことに対する不快感や不満はありません。
むしろ、たった一人の人間に引っ張られ、最後には将来像までも変えられてしまったことを、受け入れようと思います。

僕をよみがえらせてくれたあの人。
最後の3ヶ月、追い付かせるわけにはいきません。
そして合格して、ずっと言わなければいけなかったことも言うことになるでしょう。

僕にとって「受験」とは「あの人」。
一年以上の浮浪の日々を越えて、ようやくこういう風に定義付けを出来たという意味で、僕の勝負は今始まったと言えるでしょう。

他人に変えられた未来。
それは必ずしも悪いものではありません。
その人を「自らの導師」として受け入れようという気持ちが、どこかにあるのならば。
そして、その人を「運命の人」として認める勇気があるのならば。

転機と決断 

November 02 [Sun], 2008, 22:26
10月30日。
僕に大きな転機が訪れました。
教育学部から法学部への突然の第一志望変更。
自分の一年3ヶ月が一瞬にして消えた気がしますが、それまでの日々は僕の本質を見極めるための日々だったのかもしれません。
正直今まではっきりとしたビジョンなしに教育学部を目指していた感じもある。

教師になりたいから教育学部といった、短絡的な考えがどこかにあったのだろう。
だが今は違う。
自分の夢は作家。
その夢の実現のために、法学部に行く。
端から見れば不思議と思われるであろうこの選択は、果たして吉に出るか。

六法全書を読み、にやけていた自分を思い出す度に、この日が自分にとって大事な意味を帯びてきます。

新宿の某大学の法学部。
私大の頂点。
つい一年3ヶ月前までただの馬鹿だった僕が、今ようやく頂点を狙いに行きます。

だがこれだけは言っておきたいのです。
僕は「頂点」に行きたいんじゃありません。
「難関校」に行きたいんじゃありません。
「学歴」が欲しいんじゃありません。
ただ僕にはあの時計台、そして法律への絶えない欲求が、存在するだけです。
難しさは、ただ僕を奮い立たせる要素でしかない。


一年わずかでここまでやって来た。
あと3ヶ月。
勝負の時はやってくる。

僕の頭には常に消えない存在がある。
そんな「あの人」と共に笑える日まで、僕は歩き続ける。
しっかりと前を見続けて。

友達の輪バトン 

October 12 [Sun], 2008, 21:05
友達を五人挙げてください。(五人未満でも構いません。)
青山さん、かれん、ももえさん、なみ、ウール(羊毛)
一番目の人と出会ったきっかけを教えてください。

habboですね。確かオークションかどっか。

二番目の人と出会ったきっかけを教えてください。

habboですが、これという場所はありません。自然発生的に出会いましたね。

三番目の人と出会ったきっかけを教えてください。

某掲示板で。なんつーか不思議な出会いでしたね。

四番目の人と出会ったきっかけを教えてください。

habboですが、親交を深めたのはメールのお陰でした。ピーク時には1日100通以上やってました(笑)

五番目の人と出会ったきっかけを教えてください。

またこれもhabbo。
どこでかは覚えてない。

その中に本当の自分を晒した相手は何人いますか?

二人かな。

その中で実際に会いたいと一瞬でも思った人はいますか。

一人かな。基本、オフラインとオンラインはしっかり区別します。

その中で、「この人のためなら死ねる」と本気で思っている人はいますか?

一人だね。こちらも同じ理由。

その中で、顔写真を見せた相手はいますか?
知っているのは3人かな?
見せたのは一人だけど、それは僕にとって過ちです。
その中で、あなたの将来の夢を知っている人はいますか?

多分全員知ってるんじゃないかな。

その中に、一度でも嫌いになった人はいますか?
二人いますねえ。
まぁ近親憎悪だと思いますが。

その中で、一番ご近所にすんでるのは誰ですか?
ウールさんですね。
他の方々はすごく遠い(笑)

その中で、本名を知っている人はいますか?
フルネーム知ってるのは一人。

その中で、話をするときあなたの普段の人格が変わる人はいますか?

ものすごく甘えだすのが二人←
なんか大人っぽくするのが二人、中間は一人ですね。

その中で、直メ(携帯)している人はいますか?

二人ですね。

その中で、一番メール交換が頻繁なのは誰ですか?

かれんかなあ。

その中で、あなたより年下はいますか?

四人かな。

その中で、最も趣味志向が一致する人は誰ですか?
うーん、難しいけど、なみだろうね。

その中で、最も長い(新しい)付き合いの人はそれぞろ誰ですか?

なみと羊毛、どっち先だったかなあ?

新しいのはももえさんですね。九月中旬からです。

その中で、恋愛感情を持ったことがある人はいますか?

二人。これは恥ずべき過ち。

その中で、少しの疑いさえ持たずに今まで来た人はいますか?

二人いるんだな。
これは誇れるよ。
まぁ、それは深く入り過ぎてない人なんだけど。

その中で、話が通じなくてやきもきさせられた人はいますか?

三人。まぁしょうがない(笑)

その中で、あなたを痛め付けるような言動をしたことがある人はいますか?

いないといったらいないし、全員といったら全員。
答えられませんね。

その中で、あなたが辛いとき、遠慮せずに相談できる人はいますか?

二人いますが、出来る限り自分から頑張ってます。

その中で、基本相手からのメールを待つ関係の人はいますか?

基本こっちからするね。
一人基本受け身、一人両方、あとはもっぱらこっちからだね。

その中で、メール以外で話をよくする人がいますか?
日記のシステム等では二人、habboでは今のところ二人。

その中で、一番最近に何らかのコミュニケーション(片道含む)をとったのは誰ですか?

ももえさんだね。
メールありがと!(^ω^)

その中で、自分の生活を返上してでもコミュニケーションをとるという相手はいますか?

一人。
この人だけは譲れない。

その中で、自分に対し説教をしてくれた人はいますか?

二人います。
ありがたく思ってます。

その中で、いつか直接会ってお礼をしたい人はいますか?

一人。

その中で、相手の欠点を指摘出来る相手はいますか?
一人。
そこまで来たら究極だろうね。

その中で、自分のすべてを晒してもいいと思える人はいますか?

ギリギリアウトのラインに一人。
だが今のところいません。

その中で、目の前で泣ける人はいますか?

いや。いませんね。

では、五人にメッセージをどうぞ!
☆青山さん めんどくさがらずに回してください(笑)
来年の春、habboで話しましょうよ。戻ってきてください。

☆かれん いまさら言うことはありません。我が相棒よ←

☆ももえさん なかなか不思議な関係ですね。
とにかく関東とそちら、どっちがさきに地震来るかですよね。
ま、これからもよろしく(^ω^)

☆なみ なかなかメールしようとしても気が引けちゃうんだよね。でも今度メール付き合ってください。

☆ウール 僕が大学合格したらいつかすれ違うんじゃないか?(笑)
久しぶりに話したけど、変わらずかわいらしくて安心した!
これからもかわいいウールでいてください←

その中で、バトン回しを免除してあげようと思う人はいますか?

いません←
みなさん回してくださいお願いします。


〜 注意 〜
・回された人は、回してくれた人を必ず五人の中に含めること!
・かなり長くなっていますので、多少のカットは可能です。
また、項目を追加しても構いません。
・バトンを受け取ったらできれば送り主に知らせるように。
・制作者の名前を聞かれても「知らん」と答えるように。
・文章の表現を変えるのは構いません。また、質問の順番の入れ換えも可能です。
・制作者はこのバトンの著作権を放棄していますので、指名されてない人が勝手にバトンを回しても結構ですし、作り替えてオリジナルのものを作っても構いません。




〜追記はバトンではありません。回さないで下さい〜

 

October 10 [Fri], 2008, 19:57
毎日が暗かった。
僕が毎日登校して最初に見るのは、教室の前でたむろする男子。
僕が立ちつくしているのを、彼らは陰気な目で見ている。
教室に入れば、クラスメイトの冷たい目。
僕の机の上には、ビリビリに破られた紙が散らばっていて、いすにはガム、床には消しゴムのカスが散乱していた。
休み時間、僕がトイレに行こうとすると、また通せんぼ。たまたまトイレに行けても、入れない。入れても、水をかけられる。
最初は些細だったいじめも、段々とエスカレートして、しまいには暴力までに至った。
「お前、国語の時間、俺をにらんだだろ。」
まったく身に覚えのない罪を着せられ、休み時間、リンチを、僕は受け続けた。
わずか一週間で、僕の体はあざでいっぱいになった。
かつて、「あの人」がそうだったように・・・・
とにもかくにも、僕に対するいじめはとどまることをしらなかった。
だが、僕はそれでも学校へ行き続けた。
苦痛をすべて背負い込んで・・・・

ずっと迷っていた。
背が高く、さわやかでかっこいい僕の担任の先生。
あの人なら、きっとどうにかしてくれる・・・
そう思い続けていたけれど、言い出すチャンスがなかった。
だが、今、そのチャンスが来た。
僕は、テスト用紙の、その広い空欄に、思っていることをぶちまけた。
先生は、次の日僕を呼んだ。
その部屋は、僕が知っている他のどこよりも豪華な体裁で、「あそこ」とは違って、とても落ち着く感じがした。
「どのような状況なんだ?」
真剣な顔で僕の顔をのぞきこむ先生の姿は、まさに「あの人」とそっくりだった。
僕は、今の状況と自分の思いをすべて話した。
先生は、わかったと言って、僕の肩をポンとたたいた。
もはや目の前に立っているのは、いつもさわやかで優しい、憧れの先生ではなかった。

次の日、ホームルームの時間に先生は言った。
「大丈夫だとは思うが、このクラスにいじめがないかを調べたい。今から紙を配るから、もしこのクラスで『いじめを見た』などあったら書いてほしい。もちろん誰にも公表しないが、前向きに対処したいと思っています。」
僕は当然その紙に何かを書くことなどできなかった。
やつらは、僕のことを見つめている。
この手が動かないように。
まるで、接着剤で貼り付けられたようである。
しばらくして、先生は紙を回収して、言った。
「なるほど、この紙を見てすべてわかりました。ちょっと後で本人とは話したいと思います。」
信じられなかった。
今この教室に、真実のままを紙に書き、提出する人などいるとは思えない。
だが、僕の中では、一点の、確かな光が見えた気がした。

次の日の朝、いつも教室の前にたむろしている連中の姿はなかった。
もしやと思って教室に入ると、そこは以前とは全く違う空間になっていた。
立ちつくす僕に、クラスの中でももっとも体格がいい生徒(この一連のいじめの中で、常に主犯格であった。)
がやってきて、「おはよう」と言って肩をたたいた。
かつての陰気な顔とは打って変わって、そこには優しさが満ちていた。
その中に後悔や深謝の念を見出すことは、決して難しいことではなかった。
席に座ると、机の中に紙が入っていることに気づいた。
『いままでごめんな』

朝のホームルームが始まり、先生が入ってきた。
今日から、新しい日々が始まる・・・
ふと先生と目があうと、先生は僕に向かってウィンクした。
僕は、かつての「あの人」の面影を、そこに見ていた・・・

僕は、今日から「僕」として、生き続ける。この、ぬくもりを胸に。

人と興奮 

September 15 [Mon], 2008, 17:44
先日は地震騒動で某掲示板はかなり盛り上がり、新たなる出会いが生まれ、連帯感も出てきた。
端から見れば、そもそも神話に踊らされている連中に見えるかもしれない。
それを「日本人は騙されやすいからだ」と言う人もいるだろう。
では、この騒ぎは、日本人だけの特性なのか?
いや違う。
命の人間を感じた際、人の心は広くなり、見知らぬ人と親しげに話すという現象は、アメリカ、イギリスなどの英語圏だけでなく、世界中のあちこちで見受けられる。
あるアメリカの作家は、自分の経験を書の中で語っている。
「ロサンゼルスに向かう電車が、ある日大雪で立ち往生しまった。電車の食料がすべて尽きたとき、私は乗客の誰を肉として食べるかを決めるくじが始まると予想したが、車内は予想外にいいムードに包まれ、食料が尽きてから半日後にロサンゼルスに到着した。」
人は極度の恐怖を体験したとき、それに対抗すべく、興奮を覚えるようで、それによりその状況を楽しむことが可能になるという。

あの夜の住民の暖かさは本物だと思うし、ただくだらぬ神話に振り回された価値のない時間だったとは思わない。
経過はどうあれ、あそこに存在した人全てが、つかの間の幸福を楽しめたのだから。
自分もその場に居合わせることができて非常に光栄に思えるし、誇りにも感じる。

人間の本能だけは、画面を通してであっても、直接顔をあわせてであっても目に見えるように滲み出てくるのだと感じた瞬間だった。

カテゴリー分けのお知らせ 

September 14 [Sun], 2008, 11:21
どうも最近評論が多くなってきたので、かねての願いもあり、カテゴリーを細分化しました。
いわゆる国語で出てくるような論説文は、「評論」のところにまとめていれてあります。
カテゴリー設定が微妙なものもありますが、そこら辺はご了承ください。
これでだいぶ見やすくなったと思います。
それにしても、過去の自分の記事を読むのは楽しい。
やはり、今の自分は必然であり、過去の積み重ねの末に存在しているのだなと思う。

そして長くここの常連となってくれている方々に、改めて感謝の気持ちを伝えます。

晩歌 

September 04 [Thu], 2008, 20:29
「残念ですが、もう二度と意識が戻ることはないでしょう。」
俺は、頭をガーンと頭を殴られたかのようだった。
その痛みは、俺の見知っている人の誰もが与えてくれなかったなぁと思った。
外にはセミがやかましく鳴いている。
彼らの季節も、終わろうとしている。
俺は、病院を出ると、特に理由もなしに庭をうろついていた。
秋の到来を感じながら、俺はただ翔子の病室を見上げていた。
俺の頭の中では、「安楽死」という文字が浮かんでは消えていった。
頭に響く声。
俺は、思わず我を忘れ、そこに立ち尽くしていた。

長旅を終えた俺を迎えた、変わらぬ沈黙。
俺は旅装を解き、電話機に手を伸ばす。
翔子に帰ってきた報告をしなきゃな。
だが、俺は思うことがあって、伸ばしかけた手を、引っ込めた。
そうだよな。
俺を、避けがたき苦しみが襲ったのは、その三時間後だった。

俺は、こぼれる涙を止めることが出来ずに病院を後にした。
しかし、このセミが鳴いている間は、俺は大丈夫だと思った。
駅に向かう間、足が向いたのは、翔子の家だった。
俺がそこに足を向けたのに、はっきりとした理由はないのだと思う。
ただ、俺が大丈夫であるという証拠がほしかったから。それしか言えない。
俺の眼前に広がっていたのは、俺の知らない何かだという気がした。
かつての綺麗な庭は、雑草に囲まれ、壁には「2+7=10」という落書きがしてあった。
ただひとつ、俺を癒したのは、セミの声。
 あの場所と同じ・・・
俺はただ、目をつぶって、その声に聞き入っていた。
頭に浮かぶ、その笑顔。
手を振って何かを言っているが、俺には何も聞こえない。
 もっと大きくしゃべってくれよ。
ふと気づくと、雨が降っていた。セミの声もいつの間にか消えていた。
「2+7は、10だ。10なんだ。」

俺は、その知らせを、当然ながら信じられなかった。
目の前にいる男が、異邦人に見えたし、彼のしゃべっている言葉は、どこか遠い国の言語であるような気がした。

「残念ながら、もう二度と意識が戻ることはないでしょう。」
あ、はい。
俺は意味がわからなかった。
ただ、頭が痛かった。

セミの声。
永遠に泣き止んでくれるな。セミよ。
翔子をいざ前にすると、俺にはすべてが嘘に見えた。
翔子の顔は、いつもと全く変わりはない。
ただ、俺が話しかけても、反応しないだけ。
俺は翔子のそんな姿を見て、ただ涙が出てくるだけだった。
ずっと言えずに今まで来た言葉。
翔子には届くはずもない、この言葉。

家に向かって、旅行の最中につけていた会計簿を見てみた。
そこには、「サンドイッチ200円、雑誌700円、合計1000円」と書いてあった。
俺は、ペンで900という数字を消して、1000と書き直した。
「残念ながら、もう二度と意識が戻ることはないでしょう。」

雨が降ってきた。
セミの声はいつの間にか聞こえなくなっていた。
そして、俺がその声を聞くことは、二度となかった。
「残念ですが、もう二度と意識が戻ることはないでしょう。」