三話 

2005年08月28日(日) 7時59分
俺は高校に入ってすぐに肘を痛めてから、特に部活に入っていなかった。
中学校から続けていた野球もやめてしまった。
それから週に四回くらいでコンビニでバイトをしていた。
美幸も同じで部活はしてなかった。バイトもしていないので学校が終われば家に真っ直ぐ帰る普通の女子高校生だった。
そんな二人だったから都合がよく、多くのカップルがそうであるように俺たちも一緒に下校することから始めた。
二人とも学校から家までそう遠くなかったから真っ直ぐ帰れば20分ほどで家についた。
俺が美幸を家まで送るのが用事やバイトのないときの日課になった。
最初のうちは美幸は話しかけても恥ずかしそうにうつむき、声も小さかった。
俺の周りにはそんなタイプはいなかったのでとても新鮮な感じがした。
すぐに軽口をたたけたりするような女の子が多い中で美幸は少し未知の存在だった。
同時に手が出しにくくもあった。
壊れやすそうな気がして大事に扱わないと、という思いが日に日に強くなっていった。

二話 

2005年08月26日(金) 18時57分
彼女の名前は大江美幸といった。
二つ違いのクラスだった。沢井君、と俺の名前を呼ばれるのが不思議だった。
全く知らない誰かに思われて名前を呼ばれるのは初めての経験だった。
美幸は俺の知っている女の子とは少し違っていた。
髪の色は本当に少しだけ栗色で肩より少し長いくらいのサラリとした髪だった。
華奢な体ではかない感じがした。
付き合ってと言われ、付き合うことをその場で決めてから携帯とメールアドレスを交換した。
それから少し近くの公園で話して、彼女がもう帰らないとと言った。
送って行こうか、という俺に彼女は思い切り横に首を振った。
いいの、じゃあまた、と美幸は言って別れた。
美幸と別れ帰り道に俺は隣のクラスだったが親友の宮下隆に電話し、彼女が半年振りに出来たことを報告した。
彼女がいない隆はほんとかよ?!なんだよー、と悔しがった。
隆は美幸を知っていた。
美幸と同じクラスで、隆と同じ野球部の友達が汚れてなさそうで可愛い、と言っていたらしい。
なるほどと思った。
美幸のイメージは薄いピンクだった。



一話 

2005年08月25日(木) 22時13分
人を好きになるということを、初めて理解した。頭や知識ではなんとなくわかっていても、心が理解していなかったのだと気づかされた。
人を好きになるということの脆さと強さを、初めて見た。
そしてそれをとても愛しいと思った。
そして切なくなった。

高校3年最後の夏の幕開けは彼女が出来るという幸先のいいスタートになった。
学年は一緒だったけれど、はじめてみる女の子に告白された。
帰り道を呼び止められ、真っ赤になってうつむく彼女をみつけた。
俺をずっと見ていたと、真っ直ぐに見つめられ少し消え入りそうな声で、だけどとても強い言葉だった。
可愛らしいと思った。
その場で付き合うことを決めた。
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