虚無・Top 

December 25 [Tue], 2007, 0:24


虚無

それは何もない空間で。



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#01



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1-#01 

December 24 [Mon], 2007, 21:33
 「も……うっ、お止め下さい……っ」

 泣き啜るのもいつものこと。

 そして、毎夜続くこの行為もいつものこと。

 いつまで続くのだろうか、この終わりのない無意味な快楽は。

 相手に私の声は届いているはずなのに、黙って行為を続けるだけ。

「……っ」

 気持ちの良過ぎる愛撫に声を上げそうになるが、ここで声を上げたら私の負け。漏れそうになる声は自分の手で塞ぐ。その手も相手を象徴するような凍えそうな冷たい手で優しく解かれる。

「……なぜ泣く」

 相手は行為を続けながらも始めて私の目を見て、これもまた始めて口を開いた。

 泣く……? 私は今、泣いているの? 頬に伝わる一筋の涙を肌で感じて始めて自分が泣いていると言うことに気づいた。なんで、私は泣いているのだろう? 理由は一つ。

「……優しいからです」

 あなたはいつもそう。いつもあなたは何の躊躇いもなく私を突き放す。今もそう。こんなに近くにいるのに私はあなたに突き放されている気がしてならない。

 なのに。なのに、どうして? 突き放されているはずなのに、それなのに私はあなたを優しいと思ってしまう。

 私を傷つけないように優しく愛撫をする手。

 行為の後に優しく頭を撫でる手。

 なんで……? あなたは冷たい人。闇の底よりも冷たい、悪魔の持つ漆黒の羽のような黒い瞳をしているのに。なのに……。

 騙されている……そんなことは思わない。心の底では自分があなたの道具だということは分かっている。だけど、今だけは、夢の中でいさせて……。

「お兄様……」
P R
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