楽園のカンヴァス/原田マハ

September 12 [Mon], 2016, 7:27
最近読んだ本の中で一番面白かった。
私が美術(特に絵画)に興味があるというのを抜きにしても素晴らしい作品だと思う。

ストーリーはテーマも今まで無かった感じのものだし、構成もいいし、謎解き要素も有る。
主人公の母娘との関係を書いた導入部もそれだけで面白い。
男女の恋愛もところどころに顔を出して来ていて、物語が更に息づいている。

ルソーの魅力を存分に伝える描写にも溢れていて、ルソーの「夢」は勿論ながらピカソや夜会にも興味をそそられる。

読み終わった直後にもう一回最初から読み始めてしまう本は久しぶり。
いやー、面白かった。
ルソーが好きになりそう。


今あなたに知ってもらいたいこと/オノ・ヨーコ

September 11 [Sun], 2016, 8:26
「弱者は、それを知っていて慎重にものごとを観察する」
「私は片隅に座って過ごしてきたために生きながらえた女」
最初の章から、私が持っていたオノ・ヨーコのイメージと全然違っていて驚いた。そもそも彼女のことを全く知らないといっても過言でないほどではあったのだけれども。
横にずれていたから、ふたりの関係において「隠」だったから、自分は殺されなかったのが、妙に悲しいという記述は胸にささった。その後、無心に"Bless"し続けるところまで。


変化と持続の考えや、祈ることに関しての考えも、ものすごく同感。


憂鬱で何に対しても心が反応しないときにすること、これに対しての答えは秀逸。


誇りと他者を受け入れる心を持つことの大切さを改めて感じた。


鈴木成一さんのブックデザインもこれまた素敵な一冊。

黄色いマンション 黒い猫/小泉今日子

September 09 [Fri], 2016, 7:25
タイトルにもなっている黒猫の話から始まる。
この話は人の悪意に傷付けられた話で、後味も悪く悲しい話だが、これを最初に持ってくるところがキョンキョンの強さ。


キョンキョンのメンタリティーがどう作られたのかには興味があったけれど、日暮里育ちで元芸者、モリハナエが好きだったユミさん(母)が魅力的な大人の女だったから、それを受け継いで育ってきたんだなと思った。




切ない話や美しい話が詰まっていて、素晴らしい本だった。

一生、薬がいらない体の生き方/岡本裕

September 08 [Thu], 2016, 7:22
睡眠薬の常用は、リンパ球の機能低下につながるそう。
リンパ球というのは免疫力を担う細胞なので、結果的に明らかな寿命の短さが見られるとのこと。
免疫の善し悪しは全てに関わることなので、かなりこわい話だなと思った。


ほとんどの風邪はウイルスだから抗生物質は効かない、薬の4種類ルールというのも勉強になった。

天才/石原慎太郎

September 07 [Wed], 2016, 8:16
田中角栄がすごい人であったというのは何となく聞いて認識してはいても、実際にどういう人だったのかまではよく分からなかった。
彼が活躍した時代を知らない世代だし。


読んでみて、確かにすごい。
石原慎太郎も作家であるのは知っていたけれど、都知事としての姿しか見たことがなかった。意外と面白いなと思った。


彼にはかの有名な娘のいる家と、もう一つの家があったけれど、家族にとって彼がどういう存在であったのかなとふと思った。この本から、彼はそのどちらにも甘えすぎていたように思えるのだけれど。
一方で、外での人間関係の構築のうまさ、先見性と大胆さは突出していて、これならファンが増えるのも分かる…と納得。



モデル失格/押切もえ

September 06 [Tue], 2016, 8:07
特別好きと思ったこともないけれど、たまたま手に取ったので読んでみた。


売れない時期、怪我などを乗り越えて来て考えたことが書かれている。



心に残ったのは、以下。


「感性だけはどんなときも腐らない」
「コンプレックスは気持ちで超えられる」


入院中のナースの言葉も胸に響いた。
「大変だと思いますけどね、押切さんは笑顔のほうがいいですよ」
誰かに一生大切にしてもらえる言葉を届けられるのは素敵なことだと思う。

接待以前の会食の常識/小倉朋子

September 05 [Mon], 2016, 22:03
社会人生活を送ってしばらく経った人にとっては、当たり前にも思える内容。


社会人一年目は意外と出来ない人もいるので、内定の出た大学生や社会人一年目が読むのにいいかも。


食べ方や、お店決めからの段取り、上座の位置などが学べる本。

ながい坂/山本周五郎

September 04 [Sun], 2016, 0:00
上下巻に分かれていると、上巻が面白くてもその後すぐに下巻が手に入らないと、続きを読まなくなってしまうことがたまにある。
今回は上巻を試しに読んだ後に、下巻をすぐに入手。

主人公の主水は幼少期の体験で自分を厳しく律する人。親を他人と思い、同じ塾の同期ですら忘れるけれど、国の治水や貧しい者たち(さぼり癖のある人に対してでも)への気配りは誰よりも細やか。
情緒面の在り方がかなり変わっている。

最も印象が変わったのは滝沢の殿様に対してだった。ななえとつるという女性には初めから大きな格の違いがあり、その二人の人生がそれぞれ大きく変わったときも、持って生まれた性質で決まっていたんだろうなという風にしか思わなかった。


鞭の話は私にはあまりピンと来ず、またどうしても作者が女嫌いというか女性蔑視をしているように思える箇所もあったけれど、全体を通じて面白かった。

本質を見通す100の講義/森博嗣

September 03 [Sat], 2016, 0:26
彼の作品は小説も読むが、それよりもエッセイの方が気になるので読んでしまう。
ダイレクトに考え方が伝わるし、その考え方というのが独特のもので、自分では思いもつかないような新しい発見がある。


このエッセイはどのテーマも鋭く言葉が刺さってきたが、中でも印象的なものを以下に。


「生きていく間は多少の抵抗があるけれど、自分の力で加速できる」


「ベターを選ぶだけの人生には、ベストがない」




理系っぽさ、教授っぽさが前面に出て来ていて、それもまたいい。

こちらあみ子/今村夏子

May 26 [Thu], 2016, 18:35
枡野浩一、古泉智浩「本と雑談ラジオ」というPodcastを落として聞いていて知った本。
このPodcastはたまたま知ったもので二人のファンというわけでもないのですごく好きというわけではないけれど、本のセレクトがいつも良い印象。


映画にたとえるならば、ダンサー・イン・ザ・ダークみたいに、最後まで鬱になるような話ではないけれど、グラン・トリノ程度にはダメージをくらう。
違いといえば、悪人が出てくるわけではないところ。
それがつらい。裏目裏目に出ているだけの話。


この今村夏子さんという人は初めて知ったけれど、実力がある。
よくあるレベル、よくある話の小説はもう読みたくないなぁと思っていたところだったので、これだよこれ!と思った。
P R
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