影―憧れ― 

October 20 [Fri], 2006, 20:17
私には憧れの人がいた。

それは日向誠ではなく、高校の教師だった。

英語の、それも自分よりも十歳も年上の教師だった。

放課後さり気なく職員室へ行き、空いた教室で二人きりで勉強をみてもらったこともあった。

私は誰にもこのことを相談したりはしなかったのだけど、クラスの皆は気付いていたらしい。

それでも私は『好き?違うよ』なんて言って誤魔化していた。


日向誠は、クラスでその話題が持ち上がった次の日、私を放課後の教室へと呼んだ。

彼の目は漠然としていて、冷めていた。

「お前さ・・・」

彼は私の体を引き寄せ、思い切り抱きしめた。

「お前はあいつが好きなのか?」

私はどくっどくっと鼓動が速くなるのを感じながら、首を横に振った。

「嘘つくなよ!お前、あいつといる時はすごく楽しそうじゃねーかよ!」

彼の手に、更に力が入ったように思えた。

「やめとけよ・・・教師なんか好きになったって、叶わねーんだから・・・。俺は・・・」

「やめてっ!!」

私は彼の腕を振り払った。

何故か、ふいに涙がこぼれた。

「私・・・は、あの人が好き。ひどいこと・・・言うの・・・やめて。あの人以外、考えられないの」

彼はまだ何か言いたそうだったけれど、私を引きとめようとしたけれど・・・

私は涙を堪え切れずに、教室を出ていった。

憧れの先生には、既に婚約者がいたってことを知らずに。

影―出会い― 

October 16 [Mon], 2006, 20:47
高一、四月―――

玄関で若い女の先生から説明を受けて、三階奥の教室へ入った。

入る予定のなかった校舎に、今私は何故か入学してしまった。

公立高校の合格発表で番号がないと確信した時、絶望の底にどーんと落ちていた。

未だに現実として受け入れられない。どうして私はここにいるんだろう?

私立高校なんて、親の負担になるだけなのに・・・。

溜め息をつきながら席につき、ふと周りを見渡すと・・・。

一匹狼の目立った男の子がいた。

いや、『男の子』って柄じゃないな・・・『男』か。

人見知りなのかずっと下ばかり向いていて、鞄を床にバンッと放り出して壁に寄りかかっていた。

関わらない方が良いと思っていたが、どうしても彼から目が離せなかった。

そうしてしばらくの間彼のことを見ていると、ふいに目が合った。

日本人にしては珍しい、明るい、明るすぎる茶色い瞳が見えた。

彼の真っ黒の髪にそれはとても不似合いで、けれどどこか引きつけて止まないものがあった。

「名前、なんて言うの?」

彼は思いのほか、軽く笑って答えてくれた。

「ひなたまこと。日に向かうに、誠実・・・なんて、俺には不似合いだよな」

彼の発言に、私はふふっと笑ってしまった。

なんて良い子なんだろう。見た目じゃ分からない。

この時、思ったんだ・・・。

私は日向誠と出会うべき運命だったんだって。

あの高校に入学したのも、きっと神が彼と出会わせるために仕組んだんだって。

 

October 15 [Sun], 2006, 15:42
冬の寒さを肌に感じた頃、事故は突然起きてしまった。

日向誠が交通事故で亡くなった。

日向誠は根っからの意地っ張りで、何処にいても一匹狼だった。

私がそんな彼に出会ったのは高校の入学式でのこと。

どうしてもっと早く出逢えなかったんだろう?

昨日、私を見送っていなければ・・・彼は死なずに済んだはずだ。

彼は外見は問題ありだったかもしれない。

それでも、私にはかけがえのない存在だった。

『可恋』

名前を呼ばれる度、私はにっこり笑うことができた。

彼の為に、私は何ができる?

全ては、あの出会いからだった・・・。

初めまして。 

October 15 [Sun], 2006, 15:33
皆様、初めまして。

このブログは、小説の執筆を元にした恋愛小説のブログです。

普段アイディアばかり浮かぶ私は、なかなか家で時間をつくって書くことができなかったので、

こうしてブログにし、たくさんの人に見てもらおうと思ったのです。

学生の身で、まだまだ未熟者ですがどうぞ宜しくお願いします。

また、下のブログで日常を語っているのでそちらも宜しくお願いしますっ♪

恋愛と私―ありがとぉ―
http://ameblo.jp/yume-yume-kanaeru/
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