色彩神異〜青き動揺編〜 

2006年03月19日(日) 18時36分
ざわざわと綺麗に植えられた花や草が風に打たれ音を出す
公園も家の庭も空き地ですらも綺麗に花や木や草で埋め尽くされたこの市は
「白美市」と呼ばれている、県内でもとても大きく数え切れないほど小さな町が集まった不思議で満ちている市
そのほぼ真ん中に位置する「中畠町」。一番花が綺麗で有名な場所。

その町に誰よりも人が苦手な

捺宮 梦(なつみやゆめ)はいた



「梦!」
ただただ大きな声で梦は呼び止められた、くるりとセミロングの髪を舞わせながら振り向く
「明日香?」
梦に明日香と呼ばれた彼女は梦よりも少しばかし背は高く梦よりも髪は短かった
「梦、大丈夫なの?もう」
「それなり」
梦は人が苦手だ、学校は梦にとって学校と言うかりそめの形をした地獄でしかない
梦にとって明日香は唯一の友達であり唯一言葉を交わせる存在だ

ただただ歩く二人の周りを色とりどりの花がゆらゆら揺れながらのんびり咲いている

「おーい明日香ぁ!!」
明日香を呼び止める数人の女子、明日香は振り向き手を振り笑顔を返す、梦はそれを見るしかなかった、否見ることも不可能なくらい
彼女らが怖かった
彼女らは笑顔をする明日香の横ただ黙って振り向きもしない梦に少し不快を感じていた
ひそひそと心無い言葉を並べる、梦との距離はあまり遠くない梦の耳にその心無い言葉はしっかりと届く

梦にとって学校へ行くまでも地獄なのだ
「あれ?梦?」
明日香は梦の異変に気づき顔を覗き込む、梦は涙を流し絶望的な顔になっていた
「梦!」
皆は梦のこの症状を『発作』と呼ぶ、この時梦の中では何も起こっていない、ただ自分を守るための『防衛』でしかない
途端梦はその場に膝から崩れ落ちた、びくんびくんと体を震わせ目は虚空を見つめ、誰の声も聞こえない

梦にとっての『幸福の地』に入る
2006年03月
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