ルネサンスとフランドル絵画

December 09 [Wed], 2009, 9:44
古代オリエントに始まり、古代エジプト、ギリシャ、ローマの時代を経て、美術史はルネサンスの時代へと入ります。

●ルネサンス

古代ギリシャ・ローマ文化の再生の時代様式を「ルネサンス」と呼びます。

14世紀イタリアにはじまり、16世紀まで続きました。調和と統一、安定感、自然らしさを特徴とします。

ルーヴル美術館所蔵作品としては、レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」はあまりにも有名です。また、ラファエロの「美しき庭師の聖母」も必見です。



この時代の絵画の特徴は、遠近法にあります。

遠近法の発達によって、絵画に奥行きと広がりが生まれたのです。



●フランドル絵画

ルーヴル美術館の傑作中の傑作と呼ばれているのは何でしょう?

古代ギリシャの傑作、ヘレニズム期の「ミロのヴィーナス」?それともルネサンス時代のレオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」でしょうか?それとも・・・?

いずれも甲乙つけがたく、またつけられるものでもありませんが・・・実は、ファン・アイクの「ニコラ・ロランの聖母子」が、そう呼ばれている作品なのです。

15世紀のフランドル絵画時代の作品です。

15世紀に、油絵の技法が発見され、発達したのが、フランドルにおいてです。その油絵技法によってはじめて、細部にわたる緻密な表現や写実性、つややかな画面が可能になったといわれます。そしてこれが「フランドル絵画」の特徴となっています。

ファン・アイクの「ニコラ・ロランの聖母子」の他、マッサイスの「金貸しとその妻」も非常に有名な「傑作中の傑作」でしょう!




バロックとロココ

December 07 [Mon], 2009, 14:32
古代時代からルネサンスを経て、絵画はまた新しい時代を迎えます。技法として、フランドル絵画の時代に、油絵の技法が発見、発展しました。そして作風としては、プロテスタントの商業国家オランダの独立によって、宮廷や教会に縛られることのない、商人や農民に愛情をこめて描きだした「オランダ絵画」の時代が生まれたのです。

その後、ヨーロッパには、17世紀にはダイナミックな・・・よく言うと・・・表現を特徴とする「バロック」が生まれます。そして18世紀には、フランスの宮廷を中心とした、「ロココ」時代が到来します。



●バロック

バロックBaroqueとは、「仰々しい」とか「ゆがんだ」といった、あまり好ましくない意味をもつ言葉です。せいぜい良くいって「ダイナミック」な動きと、いきいきとした表情をもつ・・・といったらいいでしょうか?

17世紀ヨーロッパ美術の時代様式をいいます。

たとえば、ルーベンスの「マリー・ド。メディシスの生涯」・・・24枚の連作・・・は、このバロック時代を代表し、その表現性の豊かさは圧巻です。



●ロココ

ロココ時代の作品の特徴は、明るく軽やか、優雅で繊細・・・フランス宮廷を中心に栄えただけのことはあります。貴族が中心の芸術なのです。

主な作品としては、ワトーの「シテール島への船出」や、ブーシェの「ディアナの水浴」があります。



ルーヴル美術館所蔵の「ナポレオン1世の戴冠式」(ダヴィド)は、このあとの「新古典主義」の時代の作品です。その時代の流れのなかでバロックやロココをとらえてみるのも面白いかもしれません。




パリ 美術館フリーパス

November 25 [Wed], 2009, 10:06
パリには、美術館や博物館、さまざまな史跡が多数存在します。私たちが教科書で学んだ「超」有名な芸術作品を、ひとつの街がこんなに「一人占め」していていいのか、と思うほどです。

したがって、パリを訪れる人の多くが、美術館、博物館めぐりをすることになるのではないでしょうか?

そんな人にとって、次の情報は「お得」なのではないでしょうか?



パリには、「美術館フリーパス」が存在します。パリとその近郊の60!の主要な美術館と史跡に自由に入れるというものです。



「CARTE MUSEE」と言うパスです。

ルーヴル、オルセー、オランジュリーの主要美術館はもちろんのこと、ポンピドゥー・センターや、ヴィレット、さらにはヴェルサイユ宮殿までも網羅されています。おそらく普通に?パリ観光に来た人たちがたいてい訪れたいと思う美術館、史跡はほとんどカバーされていると思います。



●購入場所・・・メトロの駅、主要美術館の窓口。

●料金・・・1日券は70F、3日券は140F、そして5日券は200Fの3種類あります。



パスを購入した際に、入場できる美術館などのリストをもらえます。

実は、このパスを購入する利点は、料金の問題だけではありません!

このパスをもっていると、それぞれの窓口で長い行列を作って並ばなくても、すぐに入場できるのです。貴重なパリ滞在時間を待ち時間などで潰すのはもったいないですよね?

日本でも購入が可能です・・・詳細は、次ぎの電話番号でご確認ください。

03−3501−1381

06−354−4401




写実主義と印象派

March 02 [Mon], 2009, 10:44
18世紀から19世紀にかけてヨーロッパに登場した、二つの芸術思潮「新古典主義」と「ロマン主義」。新古典主義では、ギリシャ・ローマの古典様式を模範として、理想化された人間像を描きました。整った形式のなかで感情を抑えた美しさを表現した作品群です。

一方、ロマン主義は、それとは異なり、形式にとらわれない、個人の自由な創造を重んじました。人間の主観、感情の動きを尊重したものです。



その後、19世紀になると、そのどちらにも属さない、また新たな芸術思潮の誕生を迎えます・・・それが「写実主義」です。



●写実主義

19世紀に理想化を重んじた「新古典主義」と、主義・感情を重んじる「ロマン主義」のどちらでもなく、両者を反面教師のようにして生まれたのが、「写実主義」です。対象のありのままのすがたを写そうとした芸術思潮です。

代表作

・クールベ「画家のアトリエ」「オルナンの埋葬」など。



パリのルーヴル美術館では、ここまでの作品群を所蔵展示します。これ以降、印象派の時代は、オルセー美術館の担当となります。



●印象派

1960年代、フランスのサロンに反対して起った芸術思潮です。対象を包み込む空気と光を描きだし、その瞬間の「印象」をとらえようとしたものです。

日本の浮世絵の影響を受けているとも言われます。マネ、モネ、ルノワール、ドガなどが有名です。

代表的な作品

・モネ・・・「ルーアン大聖堂」(連作・1894)

・マネ・・・「オランピア」(1863)

・ルノワール・・・「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」(1876)

・ドガ・・・「浴女」(1886)




点描画と後期印象派

February 06 [Fri], 2009, 15:43
モネやマネ、ルノワール、ドガ、といった、印象派の大きな流れを受けて、それを理論的に推進したのが、「点描派」です。



●点描派

対象を包む光と空気を描き、その瞬間の「印象」をとらえようとしたのが、「印象派」です。点描画は、その理論をさらに高めました。

対象の色を一度、頭のなかで原色に分解するのです。そしてその細かに分析されたものをカンバスの上に「点」で並べていこうというものです。混じりけのない原色のままで、描き出そうとしたのです。

代表的な作品

・スーラ・・・「ポール・アン・ベッサンの港」(1888)

その他、シニャックも有名。ただし、主唱者スーラが早くに亡くなったことから、急速に衰えました。



それでも、「色の分解」という理念は、その後、後期印象派のゴッホなどにも大きな影響を与えたと言われています。



●後期印象派

印象派の色づかいに満足できない、新たな世代が生み出した芸術思潮です。

点描画の「色の分解」理念の影響を大きく受けたというゴッホは、強い色彩を用いました。またセザンヌは、しっかりとした空間と明確な形を描きだしていると評されます。そしてゴーギャンは、輪郭と単純な色彩、を特徴とします。

このようにそれぞれ独自の道を歩んだ芸術家たちを「後期印象派」と言います。

・ゴッホ・・・「オーヴェルの教会」

・セザンヌ・・・「水浴」

・ゴーギャン・・・「白い馬」



この後の時代は、パリではポンピドゥー・センターの国立近代美術館が担当となるように、「近代芸術」としてまた新たな道を開くことになります。




パリでお勧め個性派美術館

February 04 [Wed], 2009, 17:35
●ジュ・ド・ポーム国立ギャラリー

以前は、印象派の美術館として多くの名作を展示していましたが、オルセー美術館にこれらの作品が移動されて以来、しばらくの間閉鎖されていました。

が、その後、改装工事を終え、ふたたび1991年にオープンしました。



場所

チュイルリー庭園のコンコルド側です。オランジュリー美術館とちょうどついになる形で建っています。



新しくなったことに伴い、展示内容も大幅にリニューアルされました。現代美術専門の美術館となったのです・・・外観はかなりクラシックですが・・・。

所蔵作品を展示するだけでなく、常に企画展を行って新たな道を開こうとしている点はみなうものがあります。吹き抜けを利用し、ガラス窓を広く取った、明るい開放的な内部は、絵画を楽しむのにすばらしい環境を与えてくれます。

じっくり観て、疲れたときには、中2階のカフェへどうぞ!

おしゃれなカフェで、グラス・ワインを楽しむこともできます。



●オランジュリー美術館

ルーヴルやオルセーとは、また別に、ここを目当てでパリに来る人もいる・・・きっと!・・・に違いないほど、素晴らしく、価値の高い美術館です。

あのモネの「睡蓮」に出会えるのが、この美術館なのです。作品数はさほど多くありませんが、それだけに選び抜かれた逸品ぞろいです。

印象派、近代の作品を中心としたコレクションとなっています。これらが画商のポール・ギョームと、その夫人、および夫人の2番目の夫ジャン・ワルターによって集められたものと言われます。




ギュスターヴ・モロー美術館とピカソ美術館

February 04 [Wed], 2009, 10:20
ギュスターヴ・モローやピカソといった、個性的な芸術家は、その個人だけでひとつの美術館を運営していくだけの価値があるようです。

●ギュスターヴ・モロー美術館

世紀末的な退廃した香りのなかに漂う、ギュスターヴ・モロー美術館。クリシー通りからさほど遠くないところにあります。裏通りにあることから、よく注意していないと通り過ぎてしまいそうな感じです。ここは、19世紀の古びた建物の2階と3階を利用した「美術館」で、あのギュスターヴ・モローの作品を展示しているところです。

薄暗い部屋の壁に掲げられたギュスターヴ・モローの作品・・・絵が場所を選ぶのか、場所が絵を引き付けるのか・・・彼の幻想的な絵にぴったりの場所を見つけた、という感じを受けます。



●ピカソ美術館

1985年パリにオープンした美術館で、パリの新たな名所となりつつあります。

ピカソの絵が203点、彫刻158点、陶磁器88点、デッサン1,500点! 版画1,600点!

さらに、彼の自筆の原稿や挿絵の入った書籍まであります。また、ピカソ自身が集めたというセザンヌやマチス、ドランなどの絵画など、これらがすべてこのパリのマレ地区に集結したのだからすごい!としか言いようがありません。

このパリのマレ地区にこの美術館を建てようという計画が始まったのが、1975年。開館にこぎつけるまでに10年の歳月を要したのです。

開館と同時に、ピカソに関するさまざまな解説書やカタログ類も出版され、パリにピカソブームを呼びました。




ロダンとモネの美術館

February 03 [Tue], 2009, 18:30
自分の最も好きな個性的な芸術家の作品を一堂に集めた美術館をおとずれることほど幸せなことはありませんよね、ロダンとモネの好きな人に是非、ご紹介したい美術館です。

●ロダン美術館

「考える人」でおなじみのロダンの美術館が、フランスのパリにあります。その名も「ロダン美術館」です。

門をくぐると静かな木立のなかに「考える人」が・・・考えています。

また、「地獄の門」「カレー市民像」も、私たちを迎えてくれます。

前庭を歩いて美術館のなかへ入っていくと、左手に売店があります。まずは、ここでパンフレットを買いましょう。



ここはロダンが住んでいた館です。そう思うと、また感慨もひとしおなのですが、美術館というよりもお城・・・小さな・・・のようです。



1階と2階には、「接吻」「バルザック」「カレー市民の手」など、感慨深い、お馴染みの作品があります。

この美術館は、建物全体を味わいましょう・・・なかの作品を観終わったら、庭をぐるっと回り、ちょっぴりお散歩を楽しんでみては?

外の喧噪がうそのように、静かな空気が流れています。



●マルモッタン美術館

ブーローニュの森の近くにある、美術館です。このコレクションの寄贈者であるポール・マンモタンの邸宅をそのまま美術館として利用したもので、閑静な住宅街に落ち着いたたたずまいで建っています。

モネの「睡蓮」をはじめとして、印象派の傑作・・・光と色彩の織りなす幻想の世界・・・に私たちをいざなってくれます。

モネの「印象・日の出」を含む名画9点がここから強奪されたのは、有名です・・・その後、コルシカ島で発見されました!




現代美術史

February 03 [Tue], 2009, 10:51
パリのポンピドゥー・センターの4階と5階・・・フランス語では、3階と4階に当たります・・・には、主に20世紀の芸術を紹介する「国立近代美術館」があります。古代から19世紀(2月革命まで)の作品を主に展示するルーヴル美術館、2月革命から第1次世界大戦までの主に印象派を中心に展示するオルセー美術館に続いて、その後の現代美術を担当するのが、このポンピドゥー・センターの国立近代美術館です。



現代美術史を理解して臨む、あるいは予備知識や既成観念なしに自分の直感でまずは受け止め、その後その作品の背景を勉強する、など、美術鑑賞にはいろいろなスタイルがあるかもしれません。

現代美術を理解するための幾つかのキーワードとその代表的な作品をチェックしてみましょう。

●キュビズム・・・グリス「ピエロ」(1919)など。

●シュルレアリスム・・・タンギー「日の遅さ」(1937)など。

●フォーヴィズム・・・マルケ「マンギャンのアトリエで制作するマチス」(1905)、ドラン「セーヌ河畔」(1904)、そのほかマチス、ルオー、ブルマンクなど。

●抽象表現主義・・・ボロック「絵画」(1948)、ゴーギー、デクーニン、ホフマン、など。

●表現主義・・・カンディンスキー「塔のある風景」(1908)、ココシュカ、スーティン、マルク、など。

●アンフォルメル・・・スーラージュ「絵画」(1956)、マチュー、ヴォルス、ディビュフェ、など。

●ダダイズム・・・ピカビア、アルプ、デュシャン、シュヴィッタース、など。




パリの主な美術館

February 02 [Mon], 2009, 14:17
「芸術の都」フランスのパリには、ルーヴル美術館、オルセー美術館をはじめとして数多くの・・・本当に多くの!・・・美術館があり、そのひとつひとつに、美術の教科書に載っているような著名な作品が収められています。



フランスのなかでも、パリの美術館だけをみても、次のような美術館があります。

●ルーヴル美術館・・・古代から19世紀半ば2月革命までの作品

●オルセー美術館・・・2月革命以降、印象派中心。

●オランジュリー美術館・・・モネや印象派の画家の色彩あふれる美術館。「睡蓮」など。

●国立近代美術館・・・ポンピドゥー・センターのなかにあり近代美術の作品を展示。

●ジュ・ド・ポーム国立ギャラリー・・・もと印象派の美術館だったものが、現代美術館として再オープン。

●プティ・パレ・・・グラン・パレと通りを挟んで対になって建てられています。グラン・パレが科学博物館、展示場なら、プティ・パレは、印象派やレンブラントなどの常時展示がされています。

●ロダン美術館・・・もともとロダンが住んでいた居城。中庭を散策しながら、「考える人」に出会えます。

●ギュスターヴ・モロー美術館・・・モローの作品を展示。彼の幻想的な絵画を展示するのにぴったりな?ちょっぴりいわくありげなこぢんまりとした美術館。

●ピカソ美術館・・・新しくパリにオープンしたピカソのための美術館。膨大な彼の作品や、資料に会えます。

●ブーデル美術館・・・ブールデルの彫刻が木々の合間に置かれる美術館。

●マルモッタン美術館・・・オランジュリー美術館同様、モネ好きにはぜひ訪れていただきたいモネの美術館。「睡蓮」は必見!