#9 

December 18 [Tue], 2007, 15:00


「ねえママ、このしろいのなあに?」
母親は坊やを見下ろしながら言いました
「雪、よ」
「・・ユキ?」
坊やは物珍しそうに空を眺めています
「ユキってつめたいんだねぇ!」
はしゃぐ坊やに母親は微笑みかけました
「坊や、転ばないようにね」



灯りが点り始めた街はまた少し活気付いて
帰路に着く人々の足はまた少し速まった
母子はまた少し強く手を握り合って
白くなり始めた道を確かめるように歩いた



「ママ、ユキ、はやくつもるといいね!」
「それはママちょっと困るなあ」


優しく響き始めた鈴の音に耳を澄ましながら
メリー・クリスマスを総ての人へ

#8 

November 24 [Sat], 2007, 11:22


君はあちらの世界の住人或る日少しの過ちを犯し此処へと追放されました優しさなんてほんの少しも持ち合わせないあちらの世界の御偉い様方未だ首も据わらぬ幼子をこうして下界へ投げ棄てました
最初に気付いた街の人
あまり裕福ではないご婦人で寒空の下泣いている君を其れでも如何にか自分の許へ
今日は私の誕生日あなたと出逢えた何かの運命ところで牛乳はお好きかしら搾り立てなのはいどうぞ
夢中で飲み乾す元気な子あなたの名前は何かしら名前も無いので呼び辛いそうだわ今日からエンジェルちゃん
こうして始まる二人の日々お金は無いけど幸福であなたは本当に天使のよう其処はいつも温かかった
だが

#7 

November 24 [Sat], 2007, 11:11


いつだったか旱が続く其の大地に其れは突然降り注いで其の地を豊かにしたと云う
人人は泪し又其の地は活気に充ちていたと
狐雨
いつだったか争いが絶えない其の大地に其れは突然降り注いで其の地を幸せにしたと云う
人人は泪し又其の地は優しさに充ちていたと
狐雨
過去を忘却れ去ることはないだが未来には其の苦しみを連れ行くことはならぬと
狐雨
其の一滴でも其れは皆々の心を潤して本来在るべき姿へと導いてくれよう
狐雨

其れはこの世界の総てへ

#6 

November 14 [Wed], 2007, 12:00


先日妻がこの世を去った享年34、何処にでも居そうな女だった子供は二人授かった二人ともまだ小学生であった僕は意を決して息子達の母親の行く末を告げただが不思議と動揺はなかったみたいだったそれはまだ“死ぬ”ということの認識がちゃんと出来ていなかったからだろうか
そしてその日母親が灼かれゆくのを見ながら息子達は何を感じただろうそしてあの時元気に跳び回りながらも棺には近付かないとしている姿を見て“泣いていいんだよ”と声を掛けられなかった自分を悔んだ
あれから何日仏壇の前に座った僕は蝋燭に火を点し妻の名前を呼んだ“---!”名前に反応して火が揺れたああ生きている、妻は生きているんだそれからは息子達も面白がってよく話し掛けるようになった
そう、僕の妻は若くして死んだ享年34まだまだやりたいことも在っただろうし息子達の成長も見届けたかっただろうなでも僕は誓うよおまえの分もこいつらを立派に育ててみせるだから見ていてくれよもし間違ったときは力尽くでもいいどうか答えを教えて欲しい
僕の目指す場所はただ一つ、おまえの光なんだと

#5 

November 02 [Fri], 2007, 16:00


そう、喩えば
君が白なら僕は黒で君が光なら僕は闇になる
君が笑うなら僕は泣いて君が咲いたら僕は散ろう
是は必然幾ら歎いても変わることはなくて
輪廻、輪廻
だから僕はこんな世界に細やかな抵抗を
そう、喩えば
君が太陽なら僕は月いつだって其処に在るからさ約束して欲しい、もう二度と見えないなんて泣かないでいて

#4 

November 02 [Fri], 2007, 12:21


暴力受けてまでなんで其の家に居るの?
言い争いになって興奮してくると過呼吸になってしまう
そのまま死ねばいいのにだとか
色々な罵声を浴びせられて
殴られて蹴られて怪我を負って
○○ちゃんはああだこうだ
比べられることも
もううんざりな筈なのになあ
本気で消えたくなることも何度も在った
其れでも未だ何故だか僕は在るんだよ
唯其処に汚い塊になって
死ぬのが怖いから
生きるのが怖いから

そう、たった独りで

#3 

October 26 [Fri], 2007, 16:00


幼い頃に虐待されたという心の傷は大人になっても消えることはない愛されなかったという思いは歪んで時には他人を傷つけたくなる
それは一見とても悪いことのように思える
だがそれは愛し方を知らない彼が彼なりに考えた愛し方なんだと思う
その行為は許されないけれども彼の気持ちは解る気がする
だから どんな凶悪な事件を起こしたって根っからの悪い人間なんて本当はいないんだと
わたしは そう思いたいのです

#2 

October 26 [Fri], 2007, 13:13


其処で 覗いているのは ダ レ ?
道に 迷ったなら 導いてあげる よ
だか ら さあ
泣かなくて も いい か ら
君の 傷が癒える まで
僕は 待っ てる
だから ね
ゆっく り ゆっ くりで いい
君の話 を 如何 か 聞かせ て

#1 

October 25 [Thu], 2007, 17:17


全てを灼き尽くして仕舞えばいい全てを呑み込んで仕舞えばいい其処で残ったモノは何でありたい?家族でありたい他人でありたい唄でありたい君でありたい
でも
本当はそんなの全部くだらなくて僕さえも要らないから
だからお願い
其処に残るモノは 唯 灰であればいいよ
P R