ほんじゃ。

February 24 [Fri], 2012, 1:56


発想の転換。


しばらく小説の更新は中止!


何でかというと、趣味で始めたことなのに、

いつしかそれが仕事っぽくて苦痛になっていたから。


それに、三日おきって言う暗黙の周期を作ってしまったために

任務感を出すことで継続は出来たけど、それによってちょっと無理してたから。


よって、気が向いたら小説の方は再開する、という事でどうぞ宜しくお願いします。



小説の方に気が行ってる読者の皆さんの集中を途切れさせないように、

途中で余計な記事を書かないようにしてたけれども、

リアルでいろんな事が起こっているのに、

それを書くことができないのがつらくてつらくてw


そういうことで、まちまち書いていきますよ。


もし早く続きを読みたい!って言う声があれば(ないだろうねw←

執筆の再開を早める、かも・・・w


まぁそういうことなので、温かい目でお願いしますねw

ちょっとね

February 19 [Sun], 2012, 4:24

ふと思ったけど、今書いてる小説みんな楽しんでくれてるのかね?

わりかし必死になって書いてるけど、その辺が気になるなあ。

自己満になるのもイヤだしね。まぁなりかけているんだけどw


レスポンスがないとそもそも好評か不評かわからんしなあ〜


やめろよ、って声があるならやめるし、

続けてよ、って声があるなら続けるから、

一言か二言くらいなんかちょうだいよ、ねw



ちなみに、1話分の記事書くのに1時間かかるんだよね〜…

筋書きはオチまで考えてあるんだけど、

細かい描写はその日その日で考えるから大変なんやわ、うん。

おかげで初めて18日に投稿しようと思った25話の記事を、

浮かばないもんだから後日まで引き伸ばし保留しちゃったよ…ww

お知らせ

February 15 [Wed], 2012, 2:01

現在執筆中の「獄門鉄鎖」ですが、

舞台公演本番を控えているため、

最新回は3日周期を崩して1日前倒しとし、

次回は17日ではなく18日以降の投稿分として更新いたします。


ご理解をお願い申し上げると共に、

今後とも永く甘〜いロイヤルミルクティをよろしくお願いいたします。

小説 「獄門鉄鎖」 二十四

February 14 [Tue], 2012, 19:51

いきなりの爆発で燃え上がった敵陣。

うごめく姿は炎の向こうで何かと戦っている。

それは石田たちではなく、他の何かと戦っているようである。


敵の敵は味方――。

水野はそれに加勢するべく藪から飛び出し、

石田と橋本と佐藤はそれに続いて駆け出した。


敵陣に近づくにつれ、炎の熱気にやり込められた空気がこちらへ流れ込んでくる。

顔や手など、露出した皮膚の表面がじりじりと熱くなるのを感じる。

しかしそれでも敵陣向かって突っ込み続ける。

聞こえてくるいくつもの銃声と叫び声、悲鳴、

まさにそこには阿鼻叫喚がありありと存在していた。


炎の奥でうごめく影、

それは何かに怯え、何かと戦い、そして倒れ息絶えるまでの始終を、

歩み寄る四人の目の前に晒し続け、

石田たちの胸中には、大いなる戦力への期待と恐怖が渦巻きひしめき合っていた。


「よし、撃ち込め!!」


水野の合図に合わせ、炎の中に向かって攻撃を仕掛ける。

揺らめく火の向こうに見えるのが敵か味方か分からぬ状況で、

ただひたすらに攻撃をし続ける。


弾を食らい、苦しみながら倒れる敵の声。

そのうなり声は炎に取りまかれどんどんと消えていく。

飛んでくる弾から身を伏せ、避けつつ炎の中に一心不乱に矢玉をくれてやり続ける。


やがて敵陣から銃声が止み、草木が燃え上がるパチッパチッという

わずかな音だけが聞こえるのみとなった。

四人はそっと武器を下ろし、いつ現れるか分からない敵の敵との間合いを計り、

炎からじわりじわりと遠ざかりながら様子を見る。


炎に崩れる敵陣のその奥から、姿が見える。

真っ赤な灯りに照らされ浴びた返り血の狂気たるや。

ついとっさに茂みの中にこぞって身を隠し、

その姿の過ぎ去るのを待とうとした。

数歩進み立ち止まると、ふっと振り返ってつぶやくように話し出す。


「手助け、感謝しますよ」


いきなりの問いかけに驚き目を見開く一同。

姿を見せはしないものの、茂みの中から覗き込むように、

こちらを見てくる男を見る。


「誰でも殺すわけじゃない。

力を貸してくれる人にはそれ相応の敬意を持ってお相手したい。

だから早く行け、炎におびき出されハエどもが集まってくる前に」


一瞬の沈黙。

男は向き直り、真っ赤に染まった空の下から闇の中のその奥へと歩いていった。


「おい、あいつ・・・」

「そうだ・・・」

「きっとそうですよね・・・」

「・・・間違いないだろう」


あの姿形、夜とは言え火の光に照らされはっきりと見えたその風貌。

間違いなくあの「一番槍の男」だ。

開始当初に10人を数秒の内に亡き者にし、

表彰も受けアイテムも一人で全部授かったあの男。

あの男がまさか俺たちの敵を一気に倒してくれるとは・・・!!


まだ信じられない様子の一同。

そんな中でいきなり何かを思い出したように立ち上がる石田。


「お、おいどうした?」

「せ、戦車!今のうちに行けば何とかなるかも知れないですよ!」


敵陣からは気配は全くなく、声一つしない。

確かに今ならあの戦車をどうにかできそうだ。


「あの戦車が他の誰かに渡っても厄介だからな、よし、行くか」


四人は残っている2つの戦車用地雷と分解して得た火薬を持ち、

弱まり薄れ行く火の中へと進んでいった。


先程に比べれば全然熱くはない、

むしろ、このくらい照明が残っていてくれると、

作業がスムーズに行くので好都合であった。

それに、3月とは言ってもやはりまだ肌寒い。

程よい暖房になってくれるだろう。



戦車の前に辿り着くと、目の前に立ちはだかるその体躯に

驚嘆を禁じえぬ四人。

しばらく黙り込み、その姿に圧倒されながら見入っていると、


「あ、じゃあ早く済ませましょうか」


石田の一言で我に返った四人は手分けして手頃な穴を掘り、

そこに地雷を埋め、土をかぶせる。

そして火薬を戦車の下っ腹に散布してやる。


「おいおい、そんなの意味あるのか?」

「ん〜、よく分からないですけど、地雷の爆発と同時に誘爆してくれたら、

追い討ちになるんじゃないかと思ったので」

「なるほどねえ」


手についた土を払い、おもむろに立ち上がると、

先程まで天まで焦がしたあの炎もそろそろ鎮火間近。

炎に当てられ寄ってくる敵も幸いいなかった。

全ての作業を終えると、火の熱を浴びてほてった体からにじみ出る汗を拭いながら、

四人揃って自陣のある山へと戻っていった。


―続―

小説 「獄門鉄鎖」 二十三

February 12 [Sun], 2012, 20:18

20XX年 3月5日 PM10:01 西地区Fエリア 草原地帯


「光失せ闇に紛れ、獣たちの息づく絶好の隠れ家となりつつあるかね」


不敵な笑みを浮かべながらゆっくりゆっくりと歩みを進める。

星の瞬く空の下、わずかな明かりを頼りに茂みをかき分けながら進んでゆく。


手頃な岩を見つけると担いだ武器を下ろしそこに腰掛け、

ポケットから取り出したタバコに火をつけ、大きくふかす。

立ち上りゆらめく煙を通して遠い目をしながら、向こうに見える灯りに目をやった。

空がほんのりと赤く染まり、月や星はやけどをしかけている。

口の端をつりあげ、妖しげな表情を見せる。


空に放り投げたタバコが地に跳ね返る刹那、それを踏みつけつぶやく。


「次は、君たちか」


すくっと立ち上がり、立てかけた武器を担ぐと、

その灯り目指して茂みの中へと消えていった。




20XX年 3月5日 PM10:05 西地区Fエリア 山岳地帯 山麓


密かに山を下り、敵陣の方へと向かおうとする姿。

滑り落ちないように一歩一歩慎重に踏み出しながら歩く。


「本当に大丈夫なのか?」


足元を懐中電灯で照らす石田に問いかける。


「大丈夫ですよ、橋本さん。必勝の策、なんて啖呵切っちゃいましたけど、

いたって単純である割にはそれなりに効果はあると思うんです。」


「それにしてもよ、よく考え付いたもんだよな、火攻めにするなんてよ」



石田の練った策、それは火攻め。

敵陣がかがり火による照明で照らされているのは既に周知。

となれば、頼みにしている火を逆手に取って火攻めで一網打尽にすることが出来る。

そう踏んだ石田は敵陣近くに置き去りにした地雷の3つのうち1つを分解し、

そこから得られた火薬で敵を炎に取り巻こうとしたのだ。



「あ、ここから岩がごつごつ出てるんで気をつけてくださいね、水野さん、佐藤さん」


藪の中に隠れた石や岩、放棄されたごみやぬかるみに

思わず足をとられることのないように注意を喚起し、

懐中電灯で水野と佐藤の足元を多めに照らす。



「お、いたいた。すぐ見つかるわ、あんな明かり点けてたら」


半笑いで敵陣の方角を指差す佐藤。

闇の中で唯一真っ赤な点となって空を赤く染めている。

それにあわせて立ち止まり、石田と橋本は辺りの藪を突っつき始める。


「いきなり何してるんだ?」


「この辺りの藪に地雷を隠したんですよ。

さっきここに来た時に、敵を先にある程度倒してからでないと、

こんな重いものを持って敵陣に入ったら見事に的になるので、

この辺に隠しておいたんですよ」


怪訝そうな顔をする佐藤に藪の中を探しながら石田が受け答える。

すると、藪をさらう棒を握る手に、かつんという音とともに

棒が固いものに跳ね返される感触を感じた。それを頼りに藪の奥を探してみると、

そこには、見事にさっき隠した地雷が3つ並んで、

仲間の帰りを待ちながらこっちを見つめていた。


「ありました!」


石田はその中の1つを取り出し、先程塹壕前で倒した敵から得た

書籍「兵器知識」とマイナスドライバーを手に取ると、本を見ながら分解を始めた。

周りの3人は不意の爆発の脅威に少し不安げな顔をしながら体をのけぞらせている。


ネジをひとつはずし、ふたつはずし、ふたを外すと、またネジを外す。

静かで地味な作業ながらも恐怖の付きまとう2分間の解体作業の後、

それは四人の目の前に姿を現した。



「とうとう出てきましたよ、火薬」


「ほう、これはなかなかの量だ」


「これだけあればうまく行くな」



対戦車用の地雷なだけあって、取り出せた火薬の量はなかなかのものであった。

これを敵陣のかがり火を使って爆発させれば敵はひとたまりもないだろう。


「よし、行きましょう!」


四人が立ち上がったその時、敵陣の方で爆発が起こる。


ドガーン!!!!


反射的に顔の前に交差した腕の隙間から覗き見ると、

火柱があがり、黒煙がもうもうと立ち上っていた。


「なんだ、なんだ!」


敵陣は慌ただしくなり、銃声が聞こえ始める。

しかし、それはこちらにではなく、誰かと戦っているようだ。

好機と見た四人は目を見合わせる。


「よし、加勢するぞ!!」


水野の声に合わせ、石田と橋本と佐藤の三人は、

藪を飛び出し敵陣に突き進む水野の跡を追った。


―続―

小説 「獄門鉄鎖」 二十二

February 09 [Thu], 2012, 20:47


「・・・わかった。今からそっちに向かう。そこで待っていてくれ」


石田はブツッと通信の切れる音を聞き終えると、手をそのまま下にぶらんと下ろし、

大きく一つ落ち込みきったため息をついた。


石田はトランシーバーを使って水野に全てを話した。

途中涙声になりところどころで詰まる所もあった。

それでも石田は水野に事細かに告げ、水野は黙ってそれを聞いていたのだ。


寂しさや悲しさや虚しさ、様々な気持ちが混ぜこぜになって、

石田は何をどう表現すればいいのか、

誰にどんな言葉を言えばいいのかさえ分からなくなっていた。

橋本からもいつもの元気は失われ、

徳永も泣き声を押し殺して塹壕の中でうずくまっている。


いかに楽しく過ごそうが、今は「試験」。

人と人とが殺し合い、生き残ろうと必死にあがく魑魅魍魎の世界。

心の中で避け続けてきた無情な現実に、三人は無理やり引き戻された。


意気消沈し、周りの闇とすっかり馴染んでしまった三人。

突如、辺りに銃声が響き渡る。


ズダーン!!!!


三人は一斉に飛びのき、塹壕に滑り込む。

それぞれが武器を手にし、外の気配に警戒する。


死にたくない――。

本能の叫びが魂の抜けた三人の体を叩き起こし、

彼らを生きさせようとしているのであった。


銃声に驚き塹壕に飛び込み、武器を構え外に注意を向けるが、

それ以降の敵の気配が感じられない。

いや、遠くの方からかすかに服を草がかすめる音が聞こえてくる。

間違いなく、いる。


三人は銃の弾を込め、ボウガンの矢などをつがえ、

歩み寄る敵を待ち構える。

その時、地中から勢いよく跳ね上がる音と共に

気配を包み込んでしまった。


「くそっ、なんだこれは!」


闇の向こうから必死にもがく苦しそうな声が聞こえる。


これは徳永たちが日中に仕掛けた罠の一つで、

敵はそれにまんまとはまり、地中に埋めた網がすばやく敵をつるし上げ、

その動きを封じたのである。


「今だ!!撃て!!」


徳永の掛け声に呼応し、怒涛の攻撃を仕掛ける。

網に絡まり武器を構えることも出来ず抵抗する暇もなく息絶えた敵の姿に、

三人の魂は抜け殻となっていた体に戻り、

悲しんではいられないこの状況に対処するべく、それぞれの目には色が戻った。



三人は心を落ち着けようとゆっくりと呼吸する。

しかし、そんな中で徳永は遠くで草木の揺れる、一瞬のわずかな音を感じ取った。


「まだいるぞ!気を緩めるな!」


塹壕の外からは目立った気配はないが、

長時間暗闇にいたことで目が順応し、敵の姿のようなものは見えるようにはなって来ていた。


「いますね・・・」

「あぁ、いるな」

「落ち着け、敵が寄ってくるのを待つんだ、そうすれば・・・!」


突如、何かが割れる音をこちらに響かせ、隠れていた気配を地中に引きずり込んだ。

そして悲鳴が耳を貫く。


「ぎぁああああああああああああ!!!」




これは徳永たちの仕掛けた罠の一つ、竹槍落とし穴である。

斜めに切った竹や、削って先を尖らせた丸太などを尖った方を上にして

作った落とし穴の中に突き立て、その上に板と枝と草と土で覆い隠したものだ。



そこからはフィールドである三人の猛撃が続く。

地中から現れた網に包み上げられ、ロープに足を縛り上げられ、

落とし穴に落ちた敵などは見事に止めを刺して回った。

しかも、最初の一発の銃声以外は全く敵に攻撃させずにだ。


網の中やロープにつるされた敵から滴る血のしずくの音以外に音はしなくなり、

付近の気配は一切が消え去った。

そして、この大戦果を物陰から見ていた影があった。


「やるじゃないか」


とっさに銃を向けると、慌てたように止めに入ってくる女の声。


「ちょっと待ってよ!私達よ!分かるでしょ?!」


石田が懐中電灯を点けそれに向けると、その先には水野と清水と佐藤がいた。

この真っ暗闇に目が慣れていたせいだろうか、殊更まぶしそうに顔をしかめる三人。


「もういいだろう、銃を下ろしてくれ」


慌てたように銃口を外す徳永と橋本。

水野は石田にゆっくりと近寄り、そっと問いかける。


「地雷は残っているか」

「・・・はい、あるにはあるんですが・・・」



地雷は敵から逃げるので精一杯で、

そっくりそのままの形で敵陣そばの深い藪の中に隠して来てしまったままだ。

石田の言葉を聞くと、水野はこう耳打ちする。


「全ての武器やアイテムは第2塹壕・本陣から持ってきた。

これらのアイテムを有効活用すれば、夜中に太陽を作ることが出来る。

そうすれば地雷も・・・・」



夜中に太陽・・・



はっとした顔を浮かべると、石田は向き直って全員に告げる。



「・・・これから再度地雷設置作戦を行います!次は、必勝の策があります!!」



―続―

小説 「獄門鉄鎖」 二十一

February 06 [Mon], 2012, 20:55


石田と橋本は敵の追撃を振り切るべく全力で逃げ続けた。

巻き上げられた土埃に紛れ藪に身を隠し逃げた二人の後ろで、

最後の手榴弾の炸裂する音が聞こえ、止み、そして一つの声がなくなった。


逃げる最中、石田と橋本は会話もすることもなく、

ただただ走り、呼吸と草を掻き分ける音だけが聞こえる。

自陣から持ってきた地雷を持って帰るほどの余裕は当然なく、

隠して置き去りにしたまま、ひたすらに走り続けた。


土埃が晴れると敵はこちらを追ってくるものと思っていたが、

素早く藪に身を隠し、敵から急いで逃げた上、

先に電源を落としたことから上手く暗闇に紛れ込むことが出来た。

そのため敵は、逃げる石田と橋本の姿を見つけることが出来ず、

結果、山田の作戦の成果はここで生かされることとなった。



敵の追撃を振り切ると、二人はこれまでの走りを緩め、息を落ち着かせる。

吹く風にざわざわ、ざわざわ、と揺れる草の音。

二人の沈黙の間をすり抜け、闇の向こうへと漂っていった。


胸を刺されて死んだ北条。

俺たちを逃がすために身代わりになった山田。

石田と橋本の胸中には、四方八方からあらゆる思いが脳の中に流れ込み、

それは二人から言葉と気力を奪い去り、びりびりに破き捨てたのだ。



下がりきった目線の中、重い足で一歩一歩と歩みを進め、

二人は仲間のいる山の方へと向かった。



20XX年 3月5日 PM9:34 西地区Fエリア 山岳地帯 自陣地外・第一塹壕帯


ガサガサッ!!!


不意に草木の揺れる音が塹壕にこだまする。


「誰だ!!」


塹壕に残っていた徳永は横になっていた重たい体を起こし、

機関銃を音の方へと向けた。


ガサッ、ガサッ、ガサッ、


その気配はどんどん近づいてくる。

徳永はしっかりと銃を握り締め、引金に指をかける。

撃ち込むべく闇の向こうの見えない姿を見ようと探していると、

それまでの足音は急に止まり、近寄ってきていた気配はふっと形を潜めた。


しばらくの間が流れる。

不思議に思った徳永は塹壕からゆっくりと出、不審なその気配に近寄る。

森の中、木々の隙間から差し込む月の光にうっすらと二人の姿が浮かび上がった。

石田と橋本だ。


「おぉ、なんだお前らか、びっくりさせんなよお。で、どうだったんだ?」


徳永の問いかけに黙り込む二人。

目を見合わせることもせず、ただ下を見て黙ったままだ。


「山田と北条さんは?」


石田と橋本は徳永の問いかけに一瞬びくっと反応し、

徳永の目を見るも、1秒も続けずにすぐさま視線をそらす。

再び流れた沈黙。



そこから徳永は、二人の身に何が起きたのか、

何故ここにいないのか、それを感じ取った。


「死んだのか」


的を射たつぶやき。

うつむいたままの石田と橋本の両目から、涙が零れだす。

何も言わないまま二人は涙を流す。

徳永に返す言葉もないままに、ただ泣き続ける。



「そうか・・・死んだのか」


涙を浮かべながらうつむく二人を見てつぶやく徳永。

泣く二人の様子から声にならない答えを察すると、

ゆっくりと振り返り、塹壕の中へと戻っていく。


塹壕の中に徳永の姿が消える。

しばらくして細いため息が聞こえると、

かすかな嗚咽が塹壕から聞こえてきた。

ほんの少しだが、聞こえてくるそれは確かな嗚咽だった。


そんな空気の中、石田は自分のポケットにすっと手を差し入れる。


「報告、します」


石田はトランシーバーを手に取ると、後方で待機している水野に連絡をつなげた。

―続―

小説 「獄門鉄鎖」 二十

February 03 [Fri], 2012, 21:58

胸を貫かれ真っ赤に染める山田と北条。

地面に倒れこみ痛みに悶え苦しむ二人を尻目に

敵は十数人がかりで石田と橋本を取り囲む。

まさに四面楚歌の状況となった。



石田と橋本を取り囲む輪の向こうから、

かがり火の赤橙色を横顔に映しながら、男達の姿が現れる。

それは昼、野口さんを死に追いやり、山田を狂気たらしめたあの男達であった。


「おまえら・・・!!」


皆驚き目を見開いたまま言葉を失った。

仇敵を目の前にした山田はその血に染まった手を徐々に拳に変え、

歯を食いしばる形相は殺意そのものであった。

闇の奥から現れた男達はおもむろに冷ややかな態度で構え、

山田の睨み付ける中、その口を開いた。


「昼はどうもお世話になりましたねえ、またお会い出来て嬉しいですよ」


何も映らずどろっとした瞳をこちらに向け、

口の端で笑いながら輪をかき分け二人に近づく。


「今回はあなた方に先程のリベンジをしようと思いましてねえ、

ちょっと無粋なやり方ですけど、ここのグループの方と

他のもう1グループの人たちと統合・共闘してあなた方を人海戦術にて屠ってくれようかと」


殺す、ではなく屠る――。

その言葉と、終始見せる笑っていない笑顔に四人は底知れぬ恐怖を感じ取った。


「君達にはお礼をしたい。・・・たっぷりとね!!!」


男のその声に一斉に取り囲んだ輪が一気に狭まる。

石田と橋本は襲い掛かる敵を組み伏せ、かいくぐり、投げかわし、

敵の攻撃を避け続ける。


2対15。

あまりに開いた戦力差の中で防戦一方の石田と橋本。

反撃のチャンスを待ちながら敵の攻撃をかわし、跳ね返すが、

如何せん人数が多すぎる。

一瞬の諦めを心に帯びた時、輪の外から銃撃が聞こえた。


「ぐはっ・・・・!」


倒れこんだ敵の向こうにはライフルを手にした北条がいた。

息を切らし胴を真紅に染め上げながら銃を向けていた。

その目には胸を刺され手負いの人間であることを忘れさせるほどの覇気を纏っていた。

石田と橋本は目を見合わせ、ここぞとばかりに反撃に打って出た。


避けてかわして投げ飛ばし、地面に飛ばされた敵から銃を奪い撃ち込む。

石田はナイフで首をかっ切り、息の根を止める。

北条は石田と橋本に気を取られている敵を後ろから狙撃する。

北条の狙撃に気付いた銀色の光は後ろから回り込み、またも彼を貫く。


ドスッ!!!


「があっ!」

血は更に吹き上げ、鬼のような形相を浮かべつつ

遠のきそうな表情を見せながら北条はそのまま地面に倒れこんだ。


「北条さん!」


北条は山田の方を見ると、そのまま目を閉じ、

血の海に身を浸しながらそのまま眠った。

山田は手榴弾を取り出し、その銀色の光に向かって投げ込む。



ドゴーン!!!


「がふっ!!!」


槍を手にし山田と北条を貫き、北条を地面に突っ伏させた男は

爆発を食らい、そのまま膝から崩れ落ち、その目は光を失った。


それを見届けるや否や、山田は石田と橋本に痛みをこらえながら叫びつける。


「石田さん、橋本さん・・・!!もう逃げてください!このままじゃ全滅です・・っ!

武器ならあります!ここは私が防ぎますから、早く逃げてください!」


戸惑う石田と橋本。

襲い掛かる敵を跳ね返しながら山田の言葉への返事を探し、迷う。


「早く!ここは私が食い止めます、、だから、だから早く・・・」


敵と戦う石田と橋本の目には涙がにじみ出てきた。

だが山田には返事を返さない。


「もういいから・・・石田さん、橋本さん・・・僕もう動けないんですよ・・・?

もう長くないのよく分かるんですよ・・・だから、せめて2人は助けたいんですよ・・・!!

お願いだから聞いてくださいよ、、ねぇ!!」



悲痛な叫びを聞き涙をこぼしながら敵と組み合う二人。

敵を投げ飛ばし間合いが広がると、石田と橋本は見つめあう。

言葉こそ発しないが、その寸隙で交わした眼差しは一つの答えを導き出した。


それを感じ取った山田は手榴弾を取り出し、ありったけの力を振り絞って叫ぶ。

「石田さん!橋本さん!・・・行きますよ!!」



ドゴーン!!!


巻き上げられた土埃。

その瞬間を見計らって石田と橋本は走り出す。

土埃が晴れてしまうまでの一瞬のうちに敵から逃げなければ――!

その気持ちだけが2人を走らせた。

そうして先程の藪まで辿り着くころに土埃が薄れた。


土埃が晴れると、石田と橋本を見失った敵はその足で山田に近寄る。

肩で息し、こちらをにらみつける敵の前に血だらけの山田がたった一人。


手榴弾を取り出しつぶやく。

「石田さん、橋本さん、楽しかったですよ。一緒に戦えて・・・」


ズダーン!!!!


銃撃を浴び血を吐き出す山田。

意識は朦朧とし、ぐらつく視界の中で、

山田は立ち上がり、ピンに指をかけ一気に引抜き、敵中に突っ込む。


「うおああああああ!!!」



ドゴーン!!!!


敵を巻き添えにして起こした爆発によって巻き上げられた土埃。

数秒が経ち、その土埃が晴れると、

そこから山田はいなくなり、地面には血だらけの顔を晒した骸が横たわっていた。


―続―
P R
プロフィール
  • ニックネーム:ひろ
  • 性別:男性
  • 誕生日:1993年2月20日
  • 血液型:A型
  • 職業:短大生・専門学校生
  • 趣味:
    ・ゲーム-シミュレーションゲームを主に!
    ・インターネット-ネトサ。
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