ROSTMARIS'*-プロローグ- 

November 15 [Wed], 2006, 19:00
誰の記憶にも残っていないほど昔のこと…



この世界では“母なる海”が大地を創り、自然を司り、
命あるものは皆“母なる海”の助けをかりて生きていました。



しかし時が流れるにつれ自分の力で生きるすべを知ったものたちは、
しだいに“母なる海”の存在を忘れていきました。



もう役目は終わったと悟った“母なる海”は、
自分の持つ力をそれぞれ小さな宝玉にこめ、
それを昔からつづいている数少ない友に託すと
永い眠りにつきました。


         


          ロストマリス
―その宝玉は 『海の雫』 と呼ばれています。

ROSTMARIS'*-序章T- 

November 16 [Thu], 2006, 19:00
世界で一番美しく歴史のある水の都、ポート=アクア


たくさんの赤いレンガづくりの建物が並び
迷路のような通路が入り組んでいるその都は、
必ずといっていいほどその通路にそって、遠くからでも底がくっきりと
見えるほどの水が流れていて、それは町に面して、
いつも光をあびてきらきらしている海に流れ込んでいました。



ポート=アクアを訪れ、その美しさに心を奪われた
旅人たちは、口をそろえてこう言うのです。


 「水があれほどきれいなのは、水の舞姫がいるからだよ---」



水の舞姫・・・
それは世界でもこの町にだけに古くから伝わる巫女のことで、
彼女たちが年に一度だけ行う儀式の水の舞によって
水が清められるというのです。



ROSTMARIS'*-序章U- 

November 19 [Sun], 2006, 20:30
ポート=アクアの水の舞姫の中でも、ひときわ目を引く
力を持つ娘
がいました。




彼女が舞えば目を奪われないものはいないし、
彼女が水にふれれば、どんな水でもたちまち波紋を
描くように清まっていってしまいます。




彼女はその日、たまたま寺院の食事調達の当番で、
町に出かけていました。



           ロストマリス
さぁいよいよ、この物語のはじまりです

水の舞姫@ 

November 19 [Sun], 2006, 20:45
水の舞姫@

水の舞姫とは、世界でポート=アクアにだけ存在する
巫女
のことです。

彼女たちは年に一度だけ“水の舞”という儀式を行います。
水につかり、儀式のための杖を使って水を遊ばせながら舞います。
主に夕方や夜に行われるので、わずかな光が映し出す
水の滴と影が幻想的な光景を浮かび上がらせます。
この儀式によってポート=アクアの水は
世界のどこよりも美しく保たれているのです。


また彼女たちは孤児が主なため、
寺院で暮らしています。寝食もすべて寺院。
寺院は掟が厳しいため水の舞姫たちはみな
あまり自由とはいえません。

ROSTMARIS'*-第一章T- 

November 26 [Sun], 2006, 14:25
世界で一番美しい水の都、ポート=アクアの
迷路のような街の中央には、一本の大きなメインストリートが
通っていました。
そこにはいろいろなお店が並んでいて、なんでもそろっていました。
とてもにぎやかで、ゴンドラ漕ぎの男の人の歌声や街の人の話し声、
笑い声が絶え間なく響いていました。

おばさん!そこのリンゴ、5つちょうだい
一人の少女が顔が隠れそうなほど膨らんだ紙袋をかかえ、叫んでいます。「おまけしといてね!」
「ハイハイ、わかってるよ」店のおばさんは紙袋にリンゴを器用に積みながら言いました。
「今日は食事の当番なのかい?がんばりなね」
「うん、ありがとう!」少女はさよならをいうとすたすたとメインストリートを歩いていきました。



少女の名はアイサといいます。滝のようなきれいな髪の持ち主で、水の舞姫の一人です。ポート=アクアの水の舞姫の中でも彼女ほど美しく舞い、水を清めることのできる者はいません。
しかし彼女は舞姫たちのなかでは変わり者として知られていました。彼女達は普通、一般人とあまりかかわりを持たないし、美しく上品にふるまいますが、彼女はお世辞でもそうとはいいきれませんでした。
アイサは今メインストリートを抜け、広場に出てきたようです。


「ぶつからないでね!ぶつからないで・・」
アイサはたくさんの人のいる場所で、あふれんばかりの食材を守ろうと一生懸命で、人々は微笑みながら彼女を振り返っています。
と、その瞬間、大きな音とともに彼女の姿は人ごみの中から消えました。転んでしまったのです。あたりは笑い声とともにアイサを気遣う声であふれました。
「大丈夫かい?」
パン屋のとなりの太ったおじさんが彼女に手を差し伸べました。ほかの人も笑いながら、そこらに転がった缶詰やリンゴやらを拾ってくれました。そして人々はまた、何事もなかったかのように話の続きをはじめたり、笑いあったりします。
これがポート=アクアなのです。

このままアイサが服の汚れをはらい、歩き出せばいつもの光景です。

しかし、この日は違いました。
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