使用上の注意 

2010年06月03日(木) 23時26分
上手に使ってね。
私の為じゃなくて
あなたの為に。

あなたが長く使えるように

どうか上手く使ってね。

消耗品は
少しずつ削れてしまうのだから

だから

それだけ忘れずに
上手く使って。

できるだけ長く
あなたの為に在りたいのだから。

ひとつ 

2010年06月03日(木) 18時31分
沢山の足並みの揃う中に

ひとつ何かを落としていいのなら

お星様の煌めく最中を
もしペットボトルに詰めてもいいのなら

私にはやりたいことがたくさんある。


ただ、ただ、

さようなら。


私にはからっぽのペットボトルもなければ
踏まれる為に落とすものもない


私はひとつきりで、わたあめになろうと思う。


甘くやさしく消えていくものでありたい。

何もなかったのは私でなくて
私の世界になかったのだと戯れ

ただ素足に触れる乾いた草の感覚だけを
この世の頼りに

ひとつきり
溶けたものは誰かが舐めるだろうから。

 

2010年01月22日(金) 21時24分
たゆたうような曖昧で、隙間のない水中のようなものが生きている時だと思う。

どうしようもなく淋しい時には何も掴めるだけの確かなものがないことに気付き

満ちている時には常に触れていることに気付く。


そのどちらも実は同じ気持ちなんだと思う時は、生きていることを感じていないときだ。


沈んでいくなら掬い上げる手はなく、浮いているなら重みはない。

両腕で足りる世界 

2009年12月16日(水) 18時32分
この世界から不必要なものを省いたら

私とあなただけになる

私が望むのはそんな世界

たくさんのものはいらない、我慢するから。

私をあなたの世界にして欲しい。

せつなさ 

2009年12月06日(日) 10時33分
他愛もないことを
幸せだと感じることは、不幸せなのかもしれない。

今、三センチ先にある睫も

明日には声も届かない場所にある、なんて

そんなことを刹那に考えなければ

こんなにも、今の幸せを苦しく思うこともないのに。

今触れ合った手が離れても

それだけのこと


だけど私は、それだけのことが切ない。

暇つぶし 

2009年10月03日(土) 11時44分
頬に触れて

指先で撫でて

きっと 私は笑うから


数限りある

そんな言葉を忘れて

カウントダウンの数はわざと知らんぷり

きっと 私は笑うから


出来るだけ 傍にいて

今がすべて。

門限 

2008年05月20日(火) 20時18分

そろそろ君は、お家へ帰った方が良いだろうね。

お姉様がそう言う風に笑うので、空を見て愕然と、寂しくなったものでした。


あぁ、そうだ。もうオリオンの三つ子たちも見えない塩梅ですね。


空もくるりと動いていらっしゃることですから、
それは確かに、私ももう帰った方が良いのでしょうね。


でもお姉様、私は帰りたくはありません。

お姉様と私とは、まるでオリオンの囲いと三つ子のようなものであれば良いのに、何故、そうではないのでしょうか。


お姉様は、丁度花の露のような知ったかぶった笑顔で、困りますと言いました。


困りますか、と私が言うとお姉様はそれでも、手を伸べて抱き締めて下さいました。


困ります、私もあなたも、一つではありませんし、また繋がっているわけでもありません。この世の中で繋がっているものなどそうはありません。だから、寂しい顔をしたって、どうしようもないのですよ。


帰りなさい、暗くなりますから。



手を離されて、私は俯いて頷くより他ありません。
元より別れを厭う女々しい気持ちなど持たない筈でした。
私だって馬鹿ではないのです。

ただ、あなたが愛しいだけでした。


オリオンの子たちはもう見えませんね。

左様なら、お姉様。

みんなみんな、あのオリオンの三つ子でさえも、一人ぼっちなのですね。

きみが、ため 

2008年03月22日(土) 22時31分
君が為、
君堅め、

この双眸も両腕も心の蔵も

全部君に費やした。

宛名の無い身体 

2008年02月22日(金) 0時19分
何をお望みですか

僕は、白いシャツを並べて干しながら
ぼんやりと問う。


誰かが

僕を常に見ている筈なのだ。

そうでなければ
そうでないのなら

こんなに胸が苦しいこともない。

これは
圧迫だ。

誰かが
何かを望んでいるのだ
きっと

僕はそれが

嬉しいような
怖いような気がして

苦しく思うのです。


何をお望みですか


白いシャツが答える筈も無く

僕はまだ

言い知れぬ圧迫感に苛まれながら

次のシャツへと手を伸ばす。

嗚呼


きちんと延ばさなければ
皺が残るといけないから

瑕痕パーティ 

2007年10月22日(月) 8時14分
文字とは小さな瑕だ。
文字を一葉書く度に、私は何かしらの重みを負う。

否、そもそも

文字とは瑕そのものだ。

心が負った小さな瑕を
投げ出したくて文字にする

そうして違う場所へ投げ出そうとした情けない証だ。

勿論、投げ出すどころかそれは瑕を痕にして残すことにしかならないのだけれど。

文字が瑕痕であるならば、文章など途方も無い。
無数の瑕痕だ。
ちくちくと痛む私の生き歩いた道筋の思い出。

それらを全て投げ出すつもりで残してしまったのだから、累積した瑕を満身に負って生きている。
これでは生き苦しいのも痛いのも当然のこと。

私の身体は夥しい文字を負い
私の心根は新しい瑕を形に残す

その中でしか生きてはゆけまい。

文字は私の要塞だ。

私を確かな瑕で縛りつける。

私は

瑕がなくては生きていけない。

私は、瑕だ。

いつかそれを産むものとは刷り変わり
瑕そのものとなる。

等身大の瑕痕だ。

瑕痕が生きている。

食べもすれば飲みもする。

意思を持った瑕痕に他ならない。

私は瑕痕を抱え
瑕痕に抱えられ

漸く地に足をつけている。
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