こおり

January 14 [Sat], 2012, 23:28
しろい息がおおきくひろがる。ちたちたと音をたてて息は結晶化し、わたしのあしもとに降り積もった。白銀の世界。灰色のそら。足元の結晶が、光を強めて空の星と無線通信をおこなう。わたしの身体でうまれ、外気で結晶化した息が、星へ還りたいと光っている。昨夜は木星の一部を食べた。だからだろうか、少し赤い光を灯している。さあ、お帰りねと言いたいところだけれどもどうしたらよいかわからない。わたしから生まれおちたけれど、とても結晶は警戒心が強くて人見知り。そして、いつまでも足元でまごまごと震えている。どうしたものかと眺めていたら、黒い瞳のおおきなあざらしが空まで持っていくよと突然に声をかけてくれた。あざらしに知り合いはいないのだが、そっと結晶を掬いあげて丸い彼の頭に乗せた。あざらしは、ぽうぽう光る結晶を乗せてくすぐったそうに黒い海へ潜っていく。夜空じゃなく海底なのかと、半ば騙されたかしらと茫然としながらも海底の奥奥を覗くと、そこには無数の星と惑星が散らばっていた。空と海は繋がっていた。
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