僕がセルジュ・ゲンスブールを好きになったのは完全に音楽先行なのですが、世の中では映画監督としての認識を持っている方も少なくはないみたいですね。評伝『ゲンスブールまたは出口なしの愛 』を買ったときも、確か映画本の棚に置いてあった記憶があるし。そんなゲンスブールの映画で最も有名なのは、やっぱり『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』ですよねー。といっても、そんなに監督作があるわけではないのですが。
この映画を見たのは随分前。たぶん10年以上は前。フランス映画にありがちな淡々としたアンニュイムードと、ロードムービーのようなイメージが好きでした。話の筋は「そんな世界もあるのかー」と当時は思って見てたくらいだけど、いまだったら切なったりするのかもしれない。ただ、バーキンの苦痛に耐える叫び声は相当のインパクトでした。
そんなわけで、今また見たい作品ではあるものの、DVDは生産中止みたいだし、近所のレンタルにも見当たらない。映像特典とか盛り込んでの再発が待たれます。
でもサントラは手元にありますよ。

全編インストです。原曲ではあえぎ声と吐息に包まれた「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」も、インストで聴くと爽やかな心地がするものです。でも昼間の情事の後のような、いやらしさの残り香が感じられるのはさすがといって良いでしょう。はは。それと「ジョニー・ジェーンのバラード」のインスト・バージョンも聴どころ。後半にバンジョーをフィーチャーしたパートが加えられているんですよね。そこで映画のシーンが頭をよぎる。「あの世でバンジョー」なんていう曲もあって、アメリカ映画に対するひねくれた愛憎が垣間見えるような気もします。映画がロードムービー的なのも、きっとそういうことなんだろうなー。フランスのイメージとして、アメリカを見下しているんだか憧れているんだかわからないところがある。そういう素直じゃないのがイイ(笑)
上のジャケ画像は僕が持っている1995年盤のもの。去年の紙ジャケ盤を含む、最近の再発は下のジャケットのようです。でもこれだと単なるエロス映画っぽくてどうもなぁ。
