ここのことと作業状況 

November 26 [Sat], 2005, 8:45
はじめまして。ここは、自作詩をネット詩集としてまとめるためのブログです。
古いものを発掘して、少しずつ登録していっています。
自分の創作作品のアーカイブスみたいな場所にしたいと考えています。

いま、2003年6月あたりの作業をしています。
道は長そうです。
気長にお付き合いくださいませ。

【孵化以前ことば】とは? 

November 26 [Sat], 2005, 6:02
ヨル/夜の言葉たち。
ミズ/水や血に関するもの。
キズ/病的、傷跡っぽいもの。
オト/音に関するもの。
アイ/愛、恋より深いもの。
セイ/生、性、わたしの命のありよう。
ナツ/夏に関するもの。
イキ/息、生き。やっていきかた。
ヤミ/闇に関するもの。
コイ/恋、少し浮かれているもの。
ウタ/歌。短歌、川柳。
ネツ/熱っぽいもの。
ホシ/星に関すること。
ユメ/夢見がちな心。
ソラ/空に関すること。見上げるもの。
マユ/繭にこもった娘。

[解剖学劇場短歌集] 

June 17 [Tue], 2003, 14:11
どうしても
申し開きが要るのなら

わたしを開いてあげませうか?

***

開かれた腹からはみ出た
臓物の

グロテスクなる
赤き躍動

***

醜悪な
臓物曝してみせたらば

わたしの存在(こと)を
赦してくれる?

***

分かってる
いくら躰を裂いたって

それは結局
外郭(フォルム)にすぎない

***

だけど嗚呼
それならいったいどうすれば

この狂おしき「生」
が伝わる?

***

刻々と
申し開きが迫り来て

逃げ出したくも
打ち勝ちたくも

[嗜好の集約] 

June 16 [Mon], 2003, 18:55

長い指の美しい手をもった
綺麗なおとこのひとがすき。

大人びた硬質さの中に
硬質故の脆さも隠したひとがすき。

自分からは苦手だけれど
かならず気安く声を掛けてくれるひとがすき。

いつもてきぱき働いていて
わたしの不健康さを相変わらずだと笑うひとがすき。

気付かないふりで去ろうとすると
声くらい掛けろと叱ってくれるひとがすき。

何気ない会話で別れた後で
ほんわか幸せ気分を残してくれるひとがすき。

つまりは

あなたがすき。

[撒き餌] 

June 16 [Mon], 2003, 18:04
胸元レースのキャミソール。
業と羽織った薄いカーデで
隠れた部位の露わさを
意識せずには居られぬやうに、
あなたに逢いにゆきませう。

外反母趾を助長する「女らしさ」の華奢な靴。
危うげ故にいやらしい、
不安定さをものともせずに、
あなたの元に駆けませう。

あなたの語る人類の
性の学識聞きながら
けれどわたしは
なんにもしない。
なんにもしないで座ってる。
時折足を組み替えて、
目を合わせたり逸らせたり、
薄笑み浮かべてみる他は。

そうしてじっと
待っている。
吐息を漏らして
待っている。

わたしはもはや
なんにもしない。

[加速的失速] 

June 16 [Mon], 2003, 17:41
順調に加速する微熱により
順調に失速する意識

外的世界はあくまで平静なのに
内的世界のみで地震のようなブレが起き、加速度がついてゆく

そうして
加速的に失速する意識は
加速的に失速する躰は

螺旋に縦横に揺れ惑い
加速度を増しつつ失速し
やがて失速しきって

墜ちゆくのだ。

[風化速度] 

June 16 [Mon], 2003, 15:47
幾重にも巻き付けられた戒めは
鉛の重さをともなって

幾つもの紅い疵を隠すかのごとく
黒ずんだ鎖の鈍さが手首の白と対を為す

鎖はじわじわとしかし確実に
その腐蝕を進めてはゆくけれど

わたしの息のあるうちに
戒めが解けることはないでせう
わたしが風化した後も
戒めだけは残るでせう

幾許かの時間
戒めのみが在るでせう

いずれにせよ
宇宙から見ればほんの刹那のこと

[死にません。] 

June 16 [Mon], 2003, 9:09
死にそうです。
でも心配しないで。
まだわたしは大丈夫。

こんなに荒廃しきったコトバを綴っているうちは
こんなに破綻しきった内側を曝しているうちは
きっと。

ほんとうに死ぬときには
綺麗なコトバを遺して逝くでせう。
明るい笑顔を遺して逝くでせう。

だからまだ
わたしは壊れてはいないはず。

壊れてしまえば
こんなに苦しくもないはずだから。

心配しないで。
死にそうです。
でもまだきっと
わたしは大丈夫。

[壊して] 

June 15 [Sun], 2003, 23:09
壊して
壊れて
壊す

壊れてしまえ わたしの理性(ココロ)
壊れてしまえ わたしの外廓(フォルム)

後に残るはちんけなプライド
搾り滓みたいな自意識

要らない
知らない
わからない

壊れてしまえ わたしの世界
壊れてしまえ わたしの外側

このままどこまでもガタンガタンと揺られ
何処でもない果てへ?

それともこのまま飛び込んで
ぐしゃりと裂かれ破片となろうか?

[他力本願。] 

June 15 [Sun], 2003, 23:03
泣き叫んで血を流すほどにうめき
のたうちまわりたい
けれどもその力もなく

このままふらふらとあてどもなく
なんでもない者に成り果ててしまいたい
けれどもその力さえなく

いつものルートを帰る道すがら
信号が赤に変わったことにすら気づかず
遮断機の警報さえ届かない
それでも突発的な事態は起きない
わたしは生きつづけている

こんなに危うい場所に居るのに
わたしはまだレールから外れられないでいる
外れる力さえもう残っては居ないのだ

ただただ願う
破壊が訪れることを
圧倒的な暴力が
わたしを押しつぶすことを

それでもいつものルートをいつものように
傍目には何の破綻も見えないだろう
破綻を具現化する力さえ
わたしにはもう残されてはいない

お願いだれか
わたしを終わらせて。