<親権停止>初の本人申し立て…虐待防止、春に改正法施行

July 23 [Mon], 2012, 12:25


 児童虐待に対応するため、親権を最長2年間停止できるようにした改正民法の4月施行後、家庭裁判所への親権停止の申し立てが首都圏や関西を中心に30件以上相次ぎ、このうち児童相談所(児相)所長が申し立てた6件中3件で本決定、2件で仮処分が出たことが分かった。これとは別に、親からの虐待で保護された未成年者が自ら申し立て、仮処分が認められたケースも1件あった。改正法に基づく「本人申し立て」による仮処分の初ケースとみられる。【野倉恵】

 47都道府県と20政令指定都市、2中核市にある児相や自治体担当者から聞き取るとともに、都市部の一部家裁から回答を得た。申立人の多くは親族とみられるが、中部地方の家裁には20歳前の女性が6月中旬、代理人の弁護士を通して本人が申し立て、9日後に仮処分が出ていた。

 女性は母親の再婚相手である義父から性虐待を受け、中学生の時に児童養護施設に保護された。母親に訴えても放置され、ネグレクト(養育放棄)されたとの記憶から保護後も自傷行為を繰り返した。

 その後、支援団体に紹介された弁護士らに励まされ、高校を卒業して施設を出ると、働きながら学ぶ形で進学。母親とは連絡がとれなかったため、施設長が親権を代行して、進学の同意や居住先の身元保証をした。

 ところが今夏までに授業料の減免や進学の申請に親の同意が必要となった。だが「母親を親と認めたくない」との気持ちは強く、弁護士は母親を捜し、親権の辞任を提案。母親は応じると伝えた後、再び連絡が取れなくなり、親権停止の本人申し立てに踏み切った。

 弁護士は「安易な申し立ては避ける必要があるが、未成年の場合、携帯電話を入手するにも親の同意がなければ契約できない。改正法で本人による申し立てが認められた意義は大きい」と強調する。

 一方、児相所長による申し立てでは、関西の児相が保護した10代の子について、進路手続きが進まず自立に支障が出る恐れがあるとして、6月に裁判所が認めたのが初の本決定。他に親が子に必要な治療を受けさせていなかったケースなどで仮処分が出ていた。

 ◇親権停止◇

 親権は民法で規定され、未成年の子に対する保護や教育、財産管理の権利と義務を併せもつ。親権制限の規定は法改正前までは期間の定めがない「親権喪失」のみで、要件も親権乱用や親に極端に悪い行いがある場合に限られていた。申立人は従来、親族か検察官、児童相談所(児相)所長のみとされ、法改正で申立人に子本人を加え、停止の要件を「子の利益を害する場合」と柔軟にした。
P R
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