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職人技 / 2010年02月03日(水)
 岡林信康。NHKの国際衛星放送での番組を見た。美空ひばりが彼に書き送った詩に彼は35年たって曲をつけて発表した。彼の「山谷ブルース」も全く様相が違っている。バック音楽がジャズである。ジャズがよいってものでもないが、岡林はそれがぴったりくるのだろう。彼が言うには、「山谷ブルース」を歌うのを一度封印したことがあったらしい。人々は彼のコンサートでは「山谷ブルース」をリクエストし、演歌を歌っても、イメージと違うと拒まれたらしい。
 なんと酷なことか。人々というのは酷である。聞く人は過去の岡林を求める。しかし彼は歌を歌って生きるサービス業の男性歌手である。
 美空ひばりが死んで20年ぐらい経つのだろうか。そのひばりの力と岡林の歌との距離のとり方がかわってきたその力とが共鳴したのか、岡林には宿題だったのか、その新しい曲を披露したのだった。
 渋い男になったものだとテレビを見て思ったのだった。

 次に貴乃花親方が相撲協会の理事に当選したニュースで、貴乃花の票を入れた若い親方が潔く辞めるということで、テレビインタビューに答えていた。画面から見る限り、彼は堂々ときっぱりしていた。未練たらしく「やめる」といっていたのではないことがよくわかった。誰も慰留させる人はいないものか、と思ったが、夜のニュースで、慰留があったらしく、彼はまたしっかりとした意見を語っていた。この謙虚だけれども、意識が高い親方が一門以外にもいるものだと驚いたのだった。こういう勇気ある。潔い若い人がいると、相撲も引き継がれていくのではないか、と感じた。

 最後に、国際衛星放送で見た、京都の伝統工芸を科学的に分析して次世代の継承者に『役立てようとする京都工芸繊維大学の取り組みは興味をもって見た。今日ちょうちん作りの職人とそれを継ぐ息子。息子は父のようにうまくちょうちんがはれない。あるいは壁塗りの左官職人。父はまだらなく、表面はきちんと凹凸なく塗ることができる。息子はできない。

  なぜなのかが問題である。それを赤外線かめらなどで、動きを『分析する。すると左官職人の息子は体のブレが多いことがわかる。親父は「腰かあ」といっていた。思わず、僕は「違う、違う、正中線だよ」と思う。この意識なんだと思う。腰という認識ではいけない。
 数寄屋橋次郎のすしにお握り方をみたとき、僕の驚いたのはその姿勢であった。歩き方も素晴らしかった。82歳の歩き方とは思えない。30度の角度で会って、胸郭をひらき背筋まっすぐで歩く。その姿勢ならばシャリに握り方も絶妙にできるのではないかと思う。猫背の男がかがまるようにシャリを握ってもシリへの力加減が違ってくるだろうと思う。
 とって大事なことで、正中線の意識を理解できるようになってよかったと思っている。本当は30年前に知っておきたかった。石川遼やイチローはすでに知っている。スポーツの多くの真髄は職人技と共通するように思う。

















Posted at 23:24 / 身辺雑記  / この記事のURL
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