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基準値を考える事件例

2006年に日本国内のさまざまな地域で起こった国産のシジミから基準値を超える除草剤の成分であるチオベンカルブが検出された事件は、健康被害の可能性は殆ど考えられなかった例と言える。
シジミ漁は全国各地で中止されたが、残留基準が未設定の農薬に対する0.01PPMという一律の基準値が適用されたのであった。
しかしながら、チオベンカルブの当時のADIは体重1kgあたり0.01mgで、体重50kgなら0.5mgとなり、これに当てはめれば、当時島根県で基準値の12倍が検出されたが、1日に味噌汁約200杯まで許容量におさまる計算になる。
その後残留基準は変更されている。当然のこととして、農薬等の化学物質は全部避けたいという消費者は多いだろう。
しかし、残留農薬に過剰に反応する消費者がいることから、食品の廃棄や回収には異論も出されているのが事実である。
その意味からしても、基準値を正しく理解して、危険性を把握することが重要になってくる。

農薬の残留基準(基準値)はADI

農薬は長期摂取等々色々な条件をそれぞれの農薬に設定し、三世代にわたって動物実験を行う。
そしてそれらの農薬を一生涯、摂取を継続しても、次世代に対しても健康被害がない「無毒性量」を出し、それを百分の一に計算したのがADI(1日の摂取許容量)である。
その上で人間の安全な摂取量はADIの80%以下と定められている。
一つの農薬が何種類もの農作物に利用されるため、多くの食品から人間が摂取する総量をADIの80%以下にしなければならない。
そのため厚生労働省が出した国民が一日に食べる食品のおのおのの摂取量と、残留試験の結果を鑑み、農薬摂取量を推定し、同じ農薬を利用する食品を毎日食べても安全な残留量として、農作物単位で割りふったのが残留基準である。
つまり、基準値を超えたからといって、すぐに健康に対して被害を被るとは限らないということである。
基準値を正しく理解して危険性を把握することが重要である。

基準値とは?

近年、中国製冷凍餃子中毒事件をはじめ食の安全性を巡る不安は高まるばかりである。
「基準値を上回る有害物質を検出」とか「基準値の五倍の農薬を検出」といった報道が多くなっているが、最近の消費者の多くはそもそも基準値がどんなものか、きちんと理解してから判断したいと思っている。
安全性に問題があった食品の大半は消費者が自ら捨てたり、販売元等が回収することになるが、基準値そのものが分かり難いので、その必要があるのか本当に確信している人は少ないと思われる。
実は、基準値を超えたら即刻食べられないというわけではない。
2006年に残留農薬基準が厳しくなってから「基準値の○倍」という表現が多くなったが、過去は残留禁止農薬を示すだけが原則で、法律改正後は残留を承認する量と種類を基準値で示すことになり、その基準値を上回る場合は流通自体が禁止になる。
農薬の残留基準計算の基になるのは、ADIと呼ばれる体重1キログラムの1日の摂取許容量である。
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