音の無い国 

December 10 [Sat], 2005, 20:41


「あー、喉痛ぇな」



複雑な楽譜を機械的に視線で追って指を動かす一連の動作。

室内には音符の余韻とどんどん募っていく煙草の煙り。
わたしは声や息や気持ちを殺してこの部屋でピアノ以外に唯一置かれている椅子に座る。




「なら吸わなきゃいいじゃんか」





空気は震えてもやつの心は響かない。
そんな心じゃいい音なんて出ないって、何度だって言ってるのに。






「ライトにしたのに」


「タール減らしたって意味なんてないんだよ」






ふーん、って空返事。

わたしの心はわたしの話を聞かないやつの態度に震える。悲しく。
揺れて悲しみだけ奏でる。

再び流れ出した機械的で事務的な旋律。


二人のセッション、わたしフューチャリングあなた。



悲しみだけ奏でた ピアノの旋律。



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