かーぜ、かぜ、吹くな、シャボン玉飛ばそ!

July 16 [Sun], 2017, 14:05
1962年、中学2年生の私は


学校の器楽部に入り、ヴァイオリン担当になっていた。


品川区のその中学校は、何年か前に都のコンクールで優勝して以来


全てのオーケストラ楽器があり


ヴァイオリンなどもナンバーが振ってあるが


3年間、自分のものとして使用することができた。


今考えれば、全ての楽器が


たいして良い物ではなかったであろうが、


オーケストラに必要な各パートの楽器がそれぞれ人数分だけ置いてある、、という、


その頃にしては贅沢な環境だった。




ちなみに、その時の古い写真↑。


(私は指揮者の宮脇先生の、写真に向かってすぐ左隣です)


今みたいにコピー機なんかなくて


新曲に入る時は、音楽室の五線黒板に


先生が前もって書いてくれてあるパート別の譜面を


自分たちの五線ノートに写し書くことから始まった。


譜面を読むのは、その必要から、みんなスラスラ読めた。


音楽のテストはみんな満点だった。


そこで、運動部以上の「みんなで力を合わせること」を学んだ。


良い音を出すには、みんなの心が揃わなくては難しかった。


中にはピアノやヴァイオリン、チェロなんかの上達者もいたが


ほとんどの部員が、宮脇先生に教えてもらって


半年もしないうちに一曲の自分のパートが出来るようになった。


その頃、まだ創立して十年しか経っていなかったその中学の


今まで「なかった」校歌を、團伊玖磨氏に依頼した。


出来上がった時、團伊玖磨氏を招いて


「発表」したのだが、


なんと我々は團伊玖磨氏の指揮で


「校歌」を演奏したのだった。


團伊玖磨氏は、そのあとから益々活躍され、


その1年半後くらいの東京オリンピックではオリンピック序曲を作曲し


素敵な風貌と、育ちの良いお洒落な話し方と併せて、


日本中知らない人はないほど有名になった。


これは、私の貴重な体験「少女時代編」である。


私は当時から、楽器より歌うほうが好きだったが


なんでもこうして音楽に携わることは楽しかった。


さて、今年中学に入った孫娘(娘のうちの長女)ここちゃん、


自分で選んで、部活は「吹奏楽部」に入った。(パーカス担当)


前のブログにも書いたが、初めての演奏曲は


「樽谷雅徳」作曲の『思ひ麗し浄瑠璃姫の雫』、、。


昨日、「市内吹奏楽交歓会」が市民会館であった。






ここちゃんの初舞台なので、観に行った。


長女だし、のんびりと育ってきた子なので、


毎日、ママから「はい、次は〇〇をしなさい!△△は終わったの?」と


急き立てられるような生活をしているのを


半分は可愛いくていいじゃん!と思い、


もう半分は、これじゃあ、世間の荒波に揉まれる時に苦労するなあと見ていた。


ところが、(1年生はまだ一曲だけの参加だったのだが)


始まると、パーカッション担当のここちゃん、


立ち姿は、いつものおっとり型だったが、


なんと、ちゃんと(って、当たり前だが)


頃合いを見計らって、次々とパーカッションの種類を持ち替え、


、、例えば、ドラのジャ〜ンという音や


スラップスティックで、ムチが何かを叩く音、シンバルをクレッシェンドで叩く音、、


きちんとタイミング良く鳴らし、


実に忙しく動き回っていた。


あんな、ここちゃんを観るのは初めてだった。






















そして市内の学校ということで


慶應高校の吹奏楽部の素晴らしい演奏も聴くことができた。










自分が中学生だったあの頃から、


慶應高校、早稲田、実業、日大三高など


憧れの的だった。


ここちゃんたちは、市内の音楽仲間として、


こんな交歓会で、間近で演奏を聴くことが出来て


幸せな環境だとつくづく思う。




「あのねえ、バーバ、


音楽はね、誰か1人が違う音を出したり


出さなきゃいけないところで音を出さなかったら


一曲が台無しなんだよ」と


言って、毎日遅くまで部活をやって帰ってくるここちゃんを思い出す。


しかし、「部活が面白い!楽しくて、楽しくて!」と


いつ会っても、そう言っている。


隣の席では、娘が大判ハンカチで顔を覆って涙を拭いている。


帰って来てから、夜になって


ここちゃんから電話、、。


「バーバ、今日は来てくれてありがとう!」と、、。


「ここちゃん、うまかったね!


とても上手にできたね!


バーバはびっくりしたよ。


曲の途中で、どの音になったら次の楽器を用意して、、って考えてやるんでしょ?」と聞くと


「うん」と言う。


「それがとても良く出来てたから、


普段の生活でも、


そういうタイミングを自分で考えて


次々行動すれば、ママに、『次何をしなさい』と言われないですむよ!」と言うと


「はい」と、小さい声で答えた。


私にとっては、ついこの間産まれた、


小さいここちゃんのままなんだけど、


もう身長は抜かされた。


子供の成長に改めて眼を見張る。


生まれたばかりのシャボン玉のようなここちゃんたちも


もうすでに世間の荒波に飛び込んでいるのを感じて


かーぜかぜ吹くな、シャボン玉飛ばそ!と


小声で歌ってしまった。





  • URL:http://yaplog.jp/1949papami/archive/847
Comment
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー 絵文字 プレビューON/OFF

不正な自動コメント投稿を防ぐため、チェックボックスにチェックをしてください。

利用規約に同意
 X 
禁止事項とご注意
※本名・メールアドレス・住所・電話番号など、個人が特定できる情報の入力は行わないでください。
「ヤプログ!利用規約 第9条 禁止事項」に該当するコメントは禁止します。
「ヤプログ!利用規約」に同意の上、コメントを送信してください。
> どれみどさん
レス、遅くなってごめんなさい。

子供が育って行く過程に(いや、大人になっても、、だけど)

「音楽」は必須アイテムですよね。

なんかどんどん個人主義になっていくような世の中、

ハーモニーやアンサンブルで「みんな」仲良くやっていければ一番良いのだけど、、。

現実はなかなかね。
July 20 [Thu], 2017, 10:58
どれみど
また泣いてしましました 涙腺ゆるみっぱなし。
July 16 [Sun], 2017, 14:18
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:まりぃひろこ
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1949年11月15日
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 現住所:埼玉県
  • アイコン画像 趣味:
読者になる
2017年07月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
最新コメント
アイコン画像まりぃひろこ
» 2人っきり、、 (2017年10月11日)
アイコン画像ミックス・ベジタブル
» 2人っきり、、 (2017年10月10日)
アイコン画像まりぃひろこ
» 急に寒くなって、、 (2017年10月07日)
アイコン画像ミックス・ベジタブル
» 急に寒くなって、、 (2017年10月07日)
アイコン画像まりぃひろこ
» 金木犀の香り(匂い!) (2017年09月30日)
アイコン画像どれみど
» 金木犀の香り(匂い!) (2017年09月30日)
アイコン画像まりぃひろこ
» 客席の歌声 (2017年09月22日)
アイコン画像どれみど
» 客席の歌声 (2017年09月22日)
アイコン画像まりぃひろこ
» 母の写真 (2017年09月18日)
アイコン画像どれみど
» 母の写真 (2017年09月18日)
Yapme!一覧