先日、人生初「サイレント映画」を観ました。
映画関係のライターをなさっているお知り合いが「神保町シアターで面白い企画がありますよ!」
と教えてくださったのです。
このお正月特別興行「巨匠たちのサイレント映画時代」という企画は、
5人の大御所監督作品(小津安二郎さんや、成瀬巳喜男さんや溝口健二さんなど…)のサイレント時代の名作を活弁付き、伴奏付きで上映しますよ!という勿体ない内容
だけど、年始故に忙しくてなかなか行けなくて…
終了間際、やっと行って来れました。
見たのは成瀬巳喜男監督の「腰ぺん(「ぺん」の漢字がないよう

)頑張れ」と「夜ごとの夢」の2本です。大変残念ながら活弁付きの回にはタイミングが合わず、伴奏のみの回でした。
だけどねー、この「伴奏」というのがとんでもなく大切なんですよ

始まる前に、関係者みたいな人が、一緒にいる人に
「伴奏が無いと、サイレントはちょっと厳しいんですよ」
と話しているのを小耳にはさんで「へえ〜。そういうものなの?」と思っていたんだけど、見て見たら、ザッツライト

本当にそうでしたよー。
伴奏であるピアノの音色が、場面を10倍にも20倍にも盛り上げてくれたり、わかりにい場面の説明をしてくれたりするんです。
「ああ、これは絶対に音が必要だわ

音無だと集中が途切れたかも知れないな…」と感じました。
伴奏は、ほぼずーっと続いていて、物語に合わせて色んな曲調になっていくのですが、あれは楽譜が決まってるんだろうか?それとも、画面を見ながらピアニストさんが即興で弾いている??
初めて「サイレント映画ピアニスト」という方々がいらっしゃるということを知りましたが、なんて凄い技術なんだろうか

映画を生かすも殺すも伴奏次第って言っても過言じゃないと思うんだなー。
余程映画が好きなんだろうな。そして、感性が良いのだろう。素晴らしかった
さて、成瀬巳喜男作品。
この度の2本はねえ、2本とも、ダメ男物語だったんですよね〜。
しかもね、「夜ごとの夢」に登場するダメ男はこの世の中のダメ男中のダメ男って感じ。
・根性無いし、やる気もないのに理屈だけはこねる。
・うまくいかないことがあると運や社会のせいにする。
・すぐに「どうせ僕はダメな男だ」と悲しそうな顔をする。
・自分は稼げないのに女の仕事の邪魔をする。
そんなんですよ!そんな奴!!
なのに、ちょっと、背が高くて色っぽい感じなのが余計にむかつく

そしてね、そんな男がどうにか成長するかと思いきや、なんとラストは「どうせ僕なんか…」と、身投げしちゃうの。
私は、生まれて初めて映画観ながら歯ぎしりしましたよ(--;)
成瀬監督は男性なのに、よくこういう映画を作るなあ…。そこが不思議でした。
比べ物になりませんが、私の書く芝居も割と「ダメな男」の話が多い。
見てくださる方に「男が嫌いなんですね」と言われる事も…。
そんなことはないんですよ!ないんだけど、そう思われても仕方が無いかなあとは思っている。
私のことを、男嫌いの女、または、過去に傷ついた女(→この年で無傷の女子も気持ち悪かろう…w)という構図にしちゃう方がわかりやすいのかも…と、思うの。
しかし、男性が男性をここまで書くのって(原案も成瀬監督なのです)ビックリだ。
一方では、男性が書くから、最後まで救いの無い、本物のダメ男が書けるんだな。とも思ったり。
私は、どこかでは男性に夢を持っていて、そこは諦められないから、切り捨てることは出来ないんでしょうね。
次回はいっそすっぱり切ってみたらどうだろう?
客席から女性の歯ぎしりが聞こえそうだわww
うーん

こんなに考えさせられるのは、入り込んだってことだね。
サイレントって実はトーキーより集中出来るんかも知れない。
いやいや、作品が当たりってことか?
面白い時間だったなー。また見たいなー
そうそう「神保町シネマ」という映画館。
とても良かったです。落ちつく。要塞のような外観も強面で良いし、気に入ってしまいました。
凝った企画が沢山あるみたいなので、これからはチェックしてみようと思います
うーん、なんて刺激的なサイレント体験