『猫を抱いて象と泳ぐ』 小川洋子 

2009年11月02日(月) 21時44分
小川洋子の作品はなんて美しいんだろうといつも思います。
使っている言葉は決して耽美でも華麗でも、ましてや仰々しくもないのに
そこに描かれる世界はいつもとても美しい。
美しく、儚く、残酷でいながら限りなくやさしい。

帯より
“伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡。
 触れ合うことも、語り合うことさえできないのに…
 小川ワールドの最高傑作!
 大切な人にそっと囁きかけたくなる物語です。”

小川洋子の小説を読んでいると、景色、匂い、色、音・・・それらがすべてありありと感じられます。
生涯チェスを愛し続けたリトル・アリョーヒンという人が本当に存在していたのではないかと錯覚してしまうくらいに。
作品を読み終えた後も、何度もリトル・アリョーヒンの人生の軌跡を辿り、反芻し、せつなく、温かい気持ちになります。

心の宝物になるような作品には人生そう何度も巡り合えるものではありませんが
私にとってこの作品はそのひとつになると思います。

作品が発表された時の解説と作者へのインタビュー記事
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200901310125.html

少女漫画B 『僕等がいた』 小畑 友紀 

2009年09月11日(金) 22時55分
少女漫画、恋愛モノ、ラストです。

『僕等がいた』 1〜12巻(以下続刊) 小畑 友紀
2点/5点

11巻までしか手に入らなかったのでそこまでしか読んでません。

小学館漫画賞受賞、累計800万部、とのことですが、ホントに?そんなに面白い?

読んでる間はその場その場で面白かったりしたんですが
なんかいきあたりばったりな漫画だなーって印象が否めないです。
主人公同士がなんでそんなに強く惹かれあってるのかが全然理解できません。
恋は理屈じゃないんだから、理解できるとかできないとかの問題じゃないってこと?
でもそれじゃあ作品としての説得力が無い。
登場人物の誰にも魅力を感じないっていうか、個性がないっていうか・・・
なんか死んだ元恋人のエピソードが生かしきれてないし。
大きなショックを受けるときは常に誰かの死がからんでるのも安易な感じがするし
主人公の少年がやたら傷つきやすいのも嫌。
なんとなく、昔読んで全然はまれなかった『ホットロード』って漫画を思い出しました・・・
(『ホットロード』は名作と誉れ高い作品なんですが、私とは合わなかったです。)
最後は離れ離れになった2人が結局くっついて終わるってのが丸わかりで
もう続きは読まなくてもいいやって感じです。
いや、少女漫画はそういうものなんだけどさ、それにしてもわかりやすすぎて醒めます。

少女漫画A 『砂時計』 芦原 妃名子 

2009年09月11日(金) 22時31分
少女漫画、恋愛モノ第2弾

『砂時計』 全10巻 芦原 妃名子
3.5点/5点

ホントは4点つけてもいいくらい、面白かったです。
10巻でサクッと終わってるのもいい。(本編自体は8巻で終わってます)
面白い漫画だったのですが、惜しい点が2点。
1)作品冒頭で引いた大きな伏線を最後で変更してしまったこと
2)途中から主人公の精神的な立ち直りの話になって、恋愛漫画じゃなくなったこと

特に1)はホントに残念な気持ちになりました。
若干ネタバレになってしまうのですが、やっぱり連載始めた当初は作者の人も
1巻の冒頭のエピソードをラストに繋げるつもりだったんだと思います。
でも、描いてるうちに変更せざるを得なくなったんでしょうね。
流れのせいか、人気のせいか、作者の気分かはわかりませんが。
実際のラストがいいとか悪いとかではなく
あの伏線を完璧に消化してれば名作になったのではないかという気がしてなりません。
人物のキャラやエピソードなど、全体的にとてもよかったのでなおさらです。

2)は、もう、主人公の生い立ちからしてこれを書かないと仕方がないというのはわかったのですが
やっぱり主題からはずれたなーという気がしてしまって。
今回特に「恋愛漫画が読みたい!」と意気込んでたからなおさらそう思ったのだとは思いますが
読んでて「あれっ?」って思っちゃいました。
や、でも、わかるんですよ。主人公が立ち直る経過を描く必要があったっていうのは。
うーん、でも、なんか、惜しいなぁ。

少女漫画@ 『君に届け』 椎名軽穂 

2009年09月11日(金) 21時56分
無性に最近の少女漫画が読みたくなりました。
それも恋愛モノ。

で、3作品読みました。
読んだ順にご紹介します。
ついでに今回は3作品比較のために5点満点で採点。

『君に届け』 1〜9巻(以下続刊) 椎名軽穂
4.5点/5点

大当たりです。

もーーーーーー
ピュ!
ピュア!!
ピュア!!!

切ない!かわいい!もどかしい!!
胸キュンです。

なんかあんまりピュアすぎて汚れててごめんなさいって謝りたくなった。
きれいな水では生きられないプランクトンの気持ちでした。

爽子がもうかわいいのなんのって。
いいですね、青春の片思い。
風早に片思いしたーい。
美しすぎて眩しすぎて泣けます。

しかし少女漫画って実はファンタジーですよね。
女の子はともかく、あんな男の子いるわけない。
だからこそ夢を見れるんですけど。
まぁそんなこと言ったら少年漫画のラブコメとかに出てくるような女の子だっていないよね。
常にパンチラだもんね。

とりあえず、この漫画は『まっすぐにいこう』のようにならないでいてくれることを望みます。
ピュアな漫画はピュアなままであってほしい・・・

『眠れるラプンツェル』 山本文緒 

2009年07月08日(水) 1時08分
悩んでいるときやつらいときに手に取った本って
ときどき恐ろしいほどそのときの心境に近い内容だったりすることがあります。
もちろん、あらすじくらいは読んでから手に取るんだけど
それにしたってリンクし過ぎだろう、と思ったりします。

今回読んだこの作品もそんな感じでした。

たぶん私、この本10年くらい前に読んだことがあります。
読み始めてだいぶ経ってから気付きました。
ほとんど覚えていないのは、設定が当時の私とはかけ離れすぎてピンとこなかったためでしょう。

主人公は結婚6年目、専業主婦。子どもはいない。多忙な夫は今夜も家に帰らない。平和で退屈で緩やかな生活を送っている。彼女が隣家の少年に恋をしてから、この平和な生活が徐々に崩壊していく、といった内容。

なんていうか、専業主婦の孤独とか虚しさとかさびしさとかね、
夫とだってもう完全に気持ちが離れてしまっているんだけど
それはいったいどこですれ違ってしまったのか、さっぱりわからない感じとかね、
そういう、足元に転がっているような、空気中に漂っているような、
不満とも不安ともつかない漠然としたものが
10年前の私に理解できたはずがないんです。
どこにも持って行きようのな哀しみ。
大人になるってこういう気持ちを知ることなんだと思いました。

この主人公は13歳の少年と恋に落ちます。
これも普通に考えたら絶望的な恋ですがラストはわりと前向きな感じで終わります。
私としてはもう少しあと味の悪い感じで終わった方が
リアリティがあってよかったんじゃないかと思うのですが
この人の作品は全体的にリアリティに欠けるところがあるのでこれはこれでいいのかな。

『うろんな客』ほか3作 エドワード・ゴーリー 

2008年11月24日(月) 20時28分
エドワード・ゴーリー著 柴田元幸訳
『うろんな客』
『ギャシュリークラムのちびっ子たち』
『敬虔な幼子』
『おぞましい二人』

図書室で借りてきました。
大人の絵本作家としてカルト的な人気を博すゴーリーの本、個人的にはとても好きなのですが何となく家に置く気になれないんですよね・・・
特にこの中にある『ギャシュリークラムのちびっ子たち』と『おぞましい二人』は赤子のいる家にはそぐわないですね。
『ギャシュリークラム〜』はアルファベットAからZまでの頭文字の子どもが事故にあったりひどい目にあったりして死んじゃったりするお話だし
『おぞましい二人』は実際にあった「ムーアズ殺人事件」という、ある夫婦が4年間で5人の子どもを残虐に殺した事件をモデルにしたお話だし。
まぁこの2作はゴーリーの中でもかなり暗い部類に入る作品ですが、にしても読んだらちょっと鬱入ります。
でも読んじゃうんだけどね。

それに比べると『敬虔な幼子』はもう少しましですね。
純粋で清らかな魂が汚れたこの世から昇天するまでのお話、ですがその純粋さが一筋縄ではいかない感じで、ゴーリーっぽくて好きです。
でもこの中で一番好きだったのは『うろんな客』ですね。
かぎ鼻頭の変な生き物が屋敷にやってきて、それから・・・といったお話ですが
この変な生き物、ゴーリー流の赤ん坊の表現のようです。
いわれてみると不気味なのに妙にかわいいんですよね。
ある日突然やってきて、本を破り取ってみたり、訳のわからない癇癪を起こしてみたり、気に入ったものを勝手に持ち去って大事に池に投げ込んでみたり・・・
ああー赤子ってこういうわけのわからない存在だよなー(苦笑 って。
ゴーリーにしては悲惨なことも起こらないし。結構安心して読めるかもしれません。

うーんおもしろかった。ゴーリーの著作はたくさんあるから、また図書室で借りてこよう

『彼女を守る51の方法』 古屋兎丸 

2008年11月14日(金) 23時14分
古屋兎丸はかなり大好きな作家さんの一人です。
この人は『palepoli』という作品がデビュー作にして最高傑作
そして私のマイフェイバリット漫画のひとつなのですが
いや、これもおもしろかった。
はずれのない作家さんですね。
(一番長い作品の『パイ』は読んでないけど、これもおもしろそう)

この作品、単行本が出た時点で気になってたのですが
「東京に直下型の大地震がきたら」というテーマなだけに
購入にはちょっと慎重になっちゃいました。
だってこのテーマ、『ドラゴンヘッド』を思い出すじゃない。
パニック漫画とはいえ、あんなふうにグダグダになっちゃうのはちょっと・・・
でも全5巻完結のようなので大人買いして一気に読みました。

パニック漫画じゃなかった。
実際にこれがリアルかどうかはわからないけど
少なくとも、震災時のひとつの現実がそこに描かれているように感じました。
5巻の、暴動が鎮まるエピソードが好きです。
たとえそれが寓話だとしても
そんな希望を持ってたっていいじゃない、って気がしました。

ごあいさつ 

2008年11月05日(水) 23時46分
こんにちは、のぶ子です。
読んだまんがとか、小説とかの感想を好き放題書くために
ブログはじめてみました。
ぼちぼち更新していこうと思います。

ブログタイトルは鬼束ちひろの曲のタイトルから。
‘案外何もかもが この手に在りそうな気がしてるのに’
鬼束ちひろを聞いてると元気が出るのですが
この意見にはあまり賛同してもらえません。何故だ。
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